七十三「再会の街で」原題:Reign Over Me





七十三再会の街で」原題:Reign Over  Me  
コロンビアピクチャー124分


2007年  アダム・サンドラー 、ドン・チードル、リブ・タイラー、

アラン・ジョンソン  ☆☆☆☆

                 
この邦題は原題とはかけ離れストーリーの流れからつけたのだろうが、
全く何の権利で担当者はこんな嘘っぱちの題名をつけるのか、

原題の副題としてつけるなら兎も角

しかもDVDラベルに印字していない場合は最悪。
原題は“THE WHO”の楽曲で
確か何処かの会社の車のCMで流れていた曲だと思う、
作品中でも何度か流れる。
 
9.11後のアメリカを描く イラク戦争中のアメリカ(兵士の家族やら)

イラクでの米軍や帰国後の兵士を描いた作品は非常に多いそれだけ社会やアメリカが打ちのめされ混乱したという事だろう。

 
さてストーリー、ニューヨークに住み歯科医として働くドンチードル、
ある日車に乗り込もうとしているとペンキの缶をを持った大学時代の
ルームメイト“チャーリー”(アダムサンドラー・どちらかと言うとコメディー系が多いけど)を見かける、追いかけようとするが信号が変わって

諦める。家に帰ると両親と同居しているが文句ばかりたれる、


娘から友達の家に送っていって欲しいと言われ車で送った時にまたチャーリーを見かけたので呼び止めて話をするが相手は覚えていなかった。一緒に酒でも飲もうと言ったが酒は飲まないと断られたので、それではコーヒーでもと言ってやっとで話をするが質問に対して五大湖の名前を言わせたりと会話がかみ合わない、チャーリーの住むアパートに行ったら上がる時に靴を脱がされる(言うまでも無く日本では当たり前だがアメリカではシャワーかベッドの上というのが普通)、台所はリフォーム中で話しもせずにゲームに夢中になる。
 
翌日ドンチードルが共同経営しているデンタルクリニックに来た女性患者が

「もし良かったらここで口でイカセテあげる」と本気で迫ってきた、断って追い出し受付の女性に「あの女性の予約は2度と入れないで」と言ったら受け付け女性も散々ののしる「言い過ぎだ」とドンチードルが言うと「ああいう女性には厳しく言わないと」と答えるが・・・その女性から性的暴行を

受けたと訴えかけられる。
 
別の日にチャーリーのアパートに行って部屋を訪れようとしたら管理人はそんな人はいないと冷たい、偶然チャーリーが戻って来たので話ができたが老夫婦が来たのでチャーリーの愛用のスクーターでニューヨークを駆け回る、クラブに入って酒を飲んでいて
「今何をしている」「独身なのか」と聞いたらチャーリーは誰の使いだと怒りまくる。仕事帰りに老婦人に呼び止められる、チャーリーは娘婿で

2001年9月11日のテロで

ビルに激突した飛行機に妻と娘2人とペットの犬まで亡くしたと説明する、それ以来仕事をやめあのような生活をしていると。
 
家に戻ったチードルのところへ22:30分ごろにチャーリーがやってきて、「もう寝るのか?」「うちは朝が早いから」と答えると「外に行こう」
「奥さんの許しがいるかな?」と
チャーリーが尋ねると「俺は大人だ、妻の許しなんかいるもんか」

と答え妻に思いっきり睨まれる。そして外出してピザを食べた、また別の日にはオールナイトの映画を見にいった、映画館から出て携帯の電源を入れるとチードルの父親が亡くなったという連絡があった(何度も連絡していた)、チャーリーは中華でも食べに行こうと誘うが、父がなくなったからと断っても「美味しい中華がある」とチャーリーは諦めない・・・・

 
後日勤務先にチャーリーが訪ねて来て受付に
「中華料理を一緒に食べる約束をした」と

言って廊下で待っていて壁にあった大学の卒業証書か歯科医の医師免許かを見ていたのでチードルが「また歯科医として復帰するか?」と聞くとチャーリが暴れだす、なんとか収めてソファー二人座っていると、

例の「フェラ女」が来た、チャーリーは「俺が代わる」
とか「やばいくらい美人だ」と言う、女性はまた治療をしたいと言ったので揉め事を起こしたくないので話を聞くと「夫が浮気をしていて自暴自棄になった、今後はあんなことはしないと」と謝罪する。

別の日にチャーリーの友人の会計士に会ったが「何も聞かないので君しか友達はいない」と言う、それで専門医(精神科)に会わせようとして偶然を装ってレコード店であう、その後レストランで食事していると

専門医の男性が「質問攻め」をするので医者とばれ

けんかになる、家に帰ったチードルと妻は妻で夕食を作ったのに

帰ってこなかったと責めけんかになる

 
ある日チードルのクリニックにチャーリが
「医者に見てもらうようにする」と訪ねて来る。
同じビルにリブタイラーがメンタルクリニックを開業しているのでそこに
連れて行く、
初回だからあまり話も出来ずに「もう終わってよい?」と聞くと
「あなたが終わりたいときが終わりの時間」と言って終了、外に出ると
チードルも待っていたがなんと次の診察の患者は「フェラ女」

のルナだった・・・


 何度か診療を受けているが初めは「考えたくないことがある」
と打ち解けない3回目の診療の時に

(実はその時にレインオーバーミーを聴いて気を紛らわせていた)、

「先生は若い」「バストが大きい」とか言うようになる
(少しは話しをするようになった)

リブタイラーに「考えたくないことでも誰かにその話しをしたほうが良い」と言われ、診療を終えて出て行こうとしたとき、待合室で待っていたチードルが絵本を見て何気ない一言を言った時に“妻や娘の思い出、娘が歌が下手だったこと、ロスからボストンへ向かう便に乗ったいきさつを話し始める”

そしてその夜にチャーリがピストルをもって外出して酒を飲み横断歩道を歩いているとタクシーとぶつかりそうになりピストルを向ける、

コーヒーを近くで飲んでいた警官に銃を向けられ後ろから取り押さえられ暴行される。


警察署に行くと弁護士からは
9.11の遺族をニューヨークの警官が暴行したのは不味いので
取りあえず病院で

精神鑑定させられる」とのこと(、幾らなんでも無罪放免ではない)。

ただそういう病院では機械的に扱われ強制的に色々させられ鑑定医の
評価は良くない裁判の前に審問会が開かれる、

勿論チードルにリブタイラーにレナまで来てくれた

しかし検事が家族の写真を提示して動揺したチャーリが暴れて
裁判長も怒る。
 
裁判長が老夫婦を呼び
「これは法律の問題ではない家族の問題だから夫婦で話し合い、
娘が生きていればどうするか」考えて月曜日に聞かせて欲しいと言う。
(こういう温情的な裁定をだしたりする裁判官の役者は大抵大物です)
 
やがれチャーリーは引っ越して、以前住んでいたアパートに老夫婦をチードルと管理人が案内して、娘に渡した大事なランプをチャーリーからの
贈り物ととして受け取り、
「彼を一人にして下さい、裁判所でそのようにいってください」
とチードルが頼む。

新しい部屋に引っ越したチャーリーの下へチードルが訪ねて来て、
そこへレナも来てチャーリーが頼んでいたピザを持ってくる、

チードルも普通の神経をしているから

邪魔をせずに部屋を出て行き、アパートの外に出るとドアマンが

「バイクをこんなところに置かないで」とスクーターをもってきたのでラストはチードルがスクーターでニューヨークを走る・・・・・・

 
9.11以降のアメリカを描いた作品は多い、
殆どが移民問題やプライバシーとか
兎に角政府の対応を批判的に描くがこれは遺族の辛さやその友人との
交流を描いていました・・・・