七十七:「猟犬たちの夜」(前編:後編)50分×2×2


七十七:「猟犬たちの夜」(前編:後編)50分×2×2 
  フランス 2008年 ☆☆☆☆ 
原題なのかな「FLICS」
副題:オリフェーブル河岸36番地(パリ警視庁)
 
主演:ヤック(BRB:強盗鎮圧班リーダー)フレデリック・タール
   ヤン( 殺人班リーダー)・ソンダバーグ・サンバート
準主役 ルグラン(パリ警視庁 長官?総監?)
カトリーヌ・マルシャル → 女性
 
 原作と監督は「オリビエ・マルシャル」で邦題
あるいは裏切りという名の犬」「やがて復習という名の雨」という作品を出してる元パリ警視庁刑事という職業を活かし以前の2作品は実在の事件を描いていたが、今回はフィクションである・・・が・・相変わらずの警察の内部対立や犯人検挙での失敗等無関係の作家では迫れない警察の実情などが描かれている、そして娯楽作品的にはありえるが実際にはありえない(例えば邦作だが 踊る大捜査線小栗旬・23歳なのに警視正)という人物設定等でリアルな警察像を描いていた。
 あとパリ警視庁の長官(総監と訳する人もいた)は日本の警視総監
(警察官中で最高の階級と役職)とは若干違い、確かに偉いがあくまでも(パリの警察管区で最高責任者的な地位)みたいな偉さのような感じ
(フランスの他県の長官よりはやはり格上だろうが)
 
ストーリー:2人組みの強盗を先に紹介した3人の刑事が階段を追いかけて追い詰める、女性刑事が犯人の1人(弟)を射殺したが、兄のオリウが抵抗してサブマシンガンを乱射している、その銃弾がルグランの背中に命中して倒れる、ヤックがヤンに援護しろと言って飛び出したがヤンは恐怖に駆られたのか援護せずにヤックにも命中して負傷する(彼は
防弾ベストを着ていたので重傷には至らなかった)。
 
5年後・背中を撃たれた女性は(同情とか色んな力学が働き)
パリ警視庁長官に出世するがあの銃弾が背中の神経にのこり松葉杖が離せない、朝から送迎の車で出勤し娘を学校に送ろうとしていた、運転手が迎えに来て娘が忘れ物をしたので取りに帰り外で待っていて
運転手が車に乗り込みエンジンをかけると車が爆発する。
その捜査に仲が悪くなっていたヤックとヤンがあたることになる。
 
パリ警視庁に新人が配属されBRBには1名:マリー(フランス美人)、
殺人班には男性2名女性1名:アンヌ(キュートな女性)が配属される、
マリーとアンヌは大学と警察学校からの友人でルームシェアしていた。
 タレコミ屋の情報で極悪のオリウが立ち寄る店を掴みヤックが逮捕に向かう、新人のマリーを美容院にもぐりこませタイミングを見計らい音楽が聴けないアイポットでボタンを押すと合図音が出る無線機で知らせる算段で逮捕の体制を取るが、オリウに気付かれ人質をとられてしまう、マリーがオリウの後ろから拳銃を突きつけ逮捕する。

一方の殺人班の新人アンヌは警視総監の運転手の検視の際に気分が
悪くなったり目を背けたりしたのでヤンに部屋を出てゆくように言われる
(軽い失敗)。
その司法解剖の際にパスポートが見つかる、聞き込みをするうちにそのパスカルという運転手は既婚者なのにカフェでナンパを“しまくる”という良い噂の無い人物だった。
 
オリウの取調べでヤックは情報を聞き出し「ジャン・バール」というバーが取引の場所になっていることを掴む(バーターでヤックも情報を提供)、カップルで潜入して出る際に盗聴器を仕掛け向かいの建物からカメラで出入りをビデオとカメラで撮影する監視体制をとった。

長官暗殺未遂事件の捜査をしているとアルバニア人姉妹の存在が浮かぶ、妹が殺されたので姉を拘束しにいったヤックだがボリスが横取りする(昔は仲が良かった2人だが過去の事件等でライバルになっていた)、殺人班が姉から聴取したらパスカルという運転手は階級を高位と偽り交際相手の妹が属するマフィアに介入し、妹を助けようとして逆にマフィアを怒らせ殺されていた(長官暗殺ではなかった)。
 
マフィアの爆破犯人のウラッドの情報としてBRBのドランがカメラで撮影していた人物を思い出し「ジャンパール」で待ち伏せをする、トイレで偶然聞いていた殺人班のアンヌがリーダーのヤンに知らせるが
「同じ名前の店が多くて無駄だ」と答える、翌朝同僚のマリーの後を尾行して「ジャンパール」の具体的な場所を突き止めたアンヌはヤンに報告するが「何もするな」(危険、逮捕の邪魔になりかねない)と言われ車の中で待機していたがBRBが逮捕の為にウラッドに近づこうしたとき別の銃を持ったグループが来たのでアンヌが飛び出し銃撃戦になる、別の犯人は逃げだしヤックとその場所に到着したヤンが追いかける、ヤックがもみ合いになった時に武器を落とした犯人をヤンが射殺するという失態を犯す。
 
 逮捕の失敗によりIGS(内部監察)がBRB,殺人班を調査することになる、ヤックはヤンの責任にしてヤンは本来はアンヌの失態だが部下の責任は自分がとるとまた別のうそをついて自分で責任を被る。行きつけのバーでBRBメンバーが酒を飲んで「くたばれIGS」などと叫んでいるところにアンヌが現れる、マリーに尾行したことを釈明しにきたのだがマリーは怒って出てゆく(2人の友情もBRB と 殺人班 の対立に巻き込まれた)、アンヌもBRBメンバーとそこで酒を飲み解散、
帰りは父親が来るので駅までドランに送ってもらう、帰りの車でドランとアンヌが走っていると情報として上がっていた怪しい車をドランが見つけ停車して1人で調べに行ったときに撃たれてしまう、その時アンヌは携帯をしていたのでとっさに気付かずベルトを外せなくて逃げ出せず射殺される。
 
ドラン(ドランのキャデラックという面白いミステリーもあったがあのドランとは別・・)は命を取り留めるが不用意な行動と新人研修生が死亡したのでIGSの聴取を受ける。
 刑務所に収監されていたオリウは裏ルートで手に入れたクスリで心臓発作の症状を起こし(健常者が使うとそうなる一歩間違うと死んでしまう)病院へ運ばれたところを仲間が脱走の手助けをして成功する。
 
 当事者的なこともありアンの殺害事件の捜査から外されたヤンだがヤックが犯人の手掛かりをこっそり教える。ヤックの情報屋だったサシャがタレコミ屋とばれかけたので本人の希望で保護の為に取引で覚せい剤をつかませ強引に逮捕した、サシャが病気の息子の為に金が必要になり2時間だけ出してくれと言ってその代わりオリウの脱獄のレンツという共犯者を教える。

そのレンツの張り込みをしていたBRBメンバーが夜の張り込みが明けたマリーが疲れたのでカフェでコーヒーを飲んで帰ろうとすると張り込みの
相手レンツが「疲れているのか?」「見ない顔だな」と話しかけイスを勧めたりと接触してしまう、
彼から逃げてきたとウソをついて電話を持っていないと言うと
携帯を貸してもらう、仲間に電話をして番号を特定したので盗聴とGPSでの位置特定ができるようになる。
 
アンヌ殺害の車に乗っていた運転手(実行犯ではない)を逮捕したが口を割らないのでヤンはロシアンルーレットをして脅して殺害犯の
名前「アレックス・バロス」を吐かせる
実は銃弾を込めたと見せかけていつの間にか抜いていたのだが・・・・
 レンツの盗聴をしていたBRBがオリウからの電話を聞いて取引場所で待ち伏せをするが実はオリウがレンツがBRBの監視対象になったことに気付きBRBを集合させてレンツを逮捕させ自分達は武装強盗で
生アヘンを奪う。


ボリスとマリーがアレックスの逮捕に向かうが抵抗された
マリーが銃を向けるが装弾を
忘れていて引き金を引きアレックスが更に抵抗され抑えられる、ヤンが助けに来るがそこに逃げ出していた情報屋のサシャが来てボリスに銃を突きつけ「アレックス」「サシャ」人質 マリー」で逃走する。サシャが逃げ出したことに気付いたヤックは居場所を突き止め殴ったり怒りをぶつけるが
生アヘンの取引現場を抑えることを条件とその分け前を
息子に渡すことで取引をする。

警視庁に戻ったヤックだ金を接取するにはBRBメンバー
のみで行う必要があり、他部署の応援をしない上に相手側の人数が多いので危険で、これまでの失態の連続に流石のメンバーも内部分裂を起こして
誰も賛成せず(新人のマリーには意見さえ聞かず“私には聞かないのですか?”といわれる)。
 
仲たがいしていたかつての仲間だったヤンに頼み2人だけで
取引現場に向かうことになる(アンヌ殺害犯がいるから)、
現場では7人のグループがいて全員を相手に出来ないので
オリウとバロスだけを捕まえることにする、取引現場では生アヘンの売却と買取のグループがいたが売却側(強奪・殺人犯)のバロスが異常に気付く(サシャの怯え)、そこにヤンがまたミスをして早すぎる突入をしてしまう、ヤックも突入して激しい銃撃戦になる
犯人側は全員射殺され防弾ベストを着ていた刑事は被弾するものの
生き残るが・・・・・
 
ストーリーにリアリティーがあったものの登場人物が多く、
その分エピソードも多い
(省略したけど警視庁長官は背中に残った弾丸が基で植物人間になりかける・・・恐らく手術をせずにそのようになってしまうだろうが、他の内部監察を受けた人間とか・・・)
この手の作品に多いのだが過去のトラウマのフラッシュバックが
多すぎて映像で疲れる。