ネトウヨには堪えられない反戦映画

☆34

原題<GRACE IS GONE>

「さよなら いつか わかること 」
 
2008年アメリカ 

イラク戦争に出征した妻グレースが戦死した事を
“大統領に代わって”報告に来た
遺族連絡士官(FLO)と従軍牧師、
その説明には上の空の夫(父親)小学生の姉妹が学校から帰宅して
「大事な話しがあるから」と言って母親の死を伝えようとするが出来ずに
「食事に外出しよう」とごまかす、帰り道に「何かしたいことある?」
と尋ねると妹が「テーマパークに行きたい」と言って
旅行の準備も何もしていないのにそのまま、車旅行を開始、
ここからロードムービーが始るのだが父親が何となく
“気が弱く長女から少し嫌われてる感じ“が発揮されてる。
この映画で何度も心打たれるのが留守番電話の応答で
妻の声が出るので父親が「今旅行してる」とか
「どうしても話ができない」と打ち明けるシーン。


音楽はクリントイーストウッドが担当。



FLO=
Family Liaison Officer
同一部隊の士官、或いは
同一MOS(エムオーエス)の士官が
その都度任命される。


イラク若しくはアフガンから
デラウェア州ドーバー空軍基地に
運ばれた遺体はさらに民間空港からTribute Flight、
Dignified Transferと呼ばれる民間機の通常便で
故郷の最寄空港に戻り
そこから<highway of heroes>として
自宅か教会へ。


遺体を運搬する兵士は
Body Bearers

アフガンイラクで既に150名ほどのアメリカ軍
女性兵士が戦死してる、イギリス、デンマーク
ノルウェー、カナダ、ハンガリーニュージーランド
女性兵士が戦死してる(ドイツ フランス スペインも
その戦死者数から推測すると可能性は高い)
IEDは階級年齢性別は選ばない。
彼女達が長時間苦しまず亡くなった事を
願う、戦争が間違いだったかもしれないが
命を懸けて戦った兵士個人、特に歩兵など
地上兵はそれとは別の問題で責任は政治家にある。


これは10年前の映画であり
戦闘シーンなどない遺された家族の物語だが
近年の映画では軍葬のシーンも忠実とまでは
言わないが以前に比べかなり本物に近くなってる、
圧倒的大多数は興味と敬意がないから気付かないだろう。
(現にその描写に関するレビューの記述がない)