チェゲバラ&カストロ 南米の混乱の責任は何処に

☆147
原題< FIDEL >
邦題「チェ・ゲバラカストロ」2002年120分 
SHOETIME NETWORKS  
ガレルガリシアベルナル
GAEL GARCIA BERNAL  
チェ・・と言うのは“親愛なる~さん”
みたいな感じだったと思う<ヒューマンNF>

作品は良かったのだが邦題ミスでゲバラカストロ
とすれば2人を描いているように思えるが、
原題ではカストロをメインとしているし実際にそんな内容、
ただ2人を分けて描く事は無理がある、ゲバラの活躍は少なく
彼が殺害されたシーンなんてあっけない。

題名のミスでこんなに違和感が出るのだから
原題は尊重してもらいたい、副題としてつけるのは問題ない。
報道や作品でキューバがいかに困窮してるかとか描かれる
ことも多いがあちら側からみればアメリカがどんなに酷い事を
してきたかと言う事も描かなければ不公平だろう、
言語が英語作品と言うのも良かった。
「チェ・28歳の手紙」「チェ・39歳の別れ」を見れば
彼がどんなに愛されたかと言うのが分る、
カストロへの批判は多いがゲバラはリスペクトされ
Tシャツにプリントされたりしてる。

バチスタ独裁政権下でアメリカの経済政策に完全に
組み込まれた中米の苦難の中カストロが革命を起こそうとするが、
初めの基地襲撃では反撃され逃亡出来なかった
反乱軍兵士は虐殺される、メキシコに亡命させられたカストロ
再度キューバに上陸して革命を起こそうとするが通信手段など
満足な時代ではなくこの時は仲間と落ち合えず山間部に逃げ込むが
また政府軍に大量に殺害される、3度目(あくまで映画の中)の
攻撃で武器を奪ったり農民の敵を殺害して革命の意義を
示す事ができて成功への兆しが見える。

そしてバチスタ大統領もアメリカ(CIA)が見限り
カストロ政権が誕生するが革命の成功とその後の政権運営
上手に行くはずも無く、また内部対立も目立つ。
ソ連に援助を頼むが大した事は出来ず、中国みたいに都市労働者を
農地に派遣したりしてもコーヒー等の収穫量が増えるはずも無く
・・・キューバ危機の描写もあっけない
フルシチョフは能無しだったと言うのが今の正しい認識だ。
ラストは革命時のメンバーが殆どいなくなってしまい、
孤立しているカストロ、民衆も流石に経済の低迷や民主主義に
対して不満を持っているようだ。

キューバ革命アルジェリア独立戦争等の
紛争で勝利した側には共通する事が多々ある、
優れたリーダーの存在や信賞必罰の規律等々もだが
民衆の支持も欠かせない(兵士として参加する、
食料提供等の兵站機能、当然密告しないことも含む)

スリランカでテロが発生したがあのような
民衆を虐殺する側には民衆の支持は集まらず
恐怖や不安には陥れるが、テロリスト側が勝利する事はない。