海軍反省会

海軍反省会


昭和50年代~平成初期まで旧日本海軍
士官提督の生存者が太平洋戦争の総括というか
反省の為の有志の集まりで述べ数十人で1回に
5~10人ほどの方々が集まり、技術、
作戦、用兵、人事、戦略諸々を述べたのを
テープに保存していたのを文章に起し出版
した本がある(全11冊で相当分厚い)

地元が海軍と関わりが深い市だけあって
図書館にそれらの蔵書が全巻揃っていて
まだ3巻の途中までしか読んでない。
(階級は下は少尉から上は中将まで、
当然戦死せずとも戦後直に死亡した
軍人も珍しくないのでその職種や
配属などが満遍なく均等であったり
そういうことはないが、潜水艦、
砲術、水雷、技術、護衛などに関して
それぞれの専門分野に関して詳細な
知識や戦後にアメリカの資料を取り寄せ
研究をした人などこれに優る本はない
と思えるほど日本海軍や日本軍の
欠点を猛省してる、戦後にこれとは別の本を
出してその本も評価されてるような
士官も多く出席してる)

失敗や欠点を語ることが多く
現在の観点からすると彼等すら
無責任な事を言ってる感じは
否めないが(徴用船の民間人や軍属の
死者に対する謝罪など何処にもないし、
国民や国家に対する罪悪感も微塵もない)

面白いといっては語弊で興味深い発言が
昭和末期に太平洋戦争中の兵器類に
関して(例えば戦艦大和)本が出た、
そしてその事について「元軍人は1人だけ
しか参加しておらず、後は軍事評論家ばかり
そして彼らは間違えた持論や事実を述べていた」と
もちろんそれらの軍事評論家に海軍勤務経験はない。


潜水艦に関しても魚雷に関しても現在の
ネット上では酸素魚雷凄い伊400凄いとは
ハード面、スペックに関して妄信をしてるが
彼らはそんな事は一言も言ってない酸素魚雷
無航跡は潜水艦の発射位置秘匿にはなるが、
そもそもソナーやレーダーで捕捉も多く
決して優位でも無かったし自発(自爆、信管が
敏感すぎて波浪が強い時はそれで爆発した)が多発し
役立たずだったとか、御用評論家は多分知らない
事実が多々掲載されていた。
(そして狙った空母や戦艦など殆ど撃沈できず
後始末で出来たとかそれが数少ない正規空母撃沈、
日本の作戦思想の艦隊決戦がほぼ無かったのだから
当初の目的では使えなかった、決戦前に戦艦や空母を
攻撃し相手の戦力が低下したタイミングで大和武蔵の
大艦巨砲で撃沈するなんて妄想レベルだった)

日本の潜水艦が雑音の塊りでアメリカのソナーに
探知されやすかったとか(ドイツ海軍の発言
アメリカ軍の資料から)
最大の失敗は敵戦艦や空母などを最大の標的とし
戦略戦術で失敗したこと、輸送任務に
振り向け膨大な損失を出し無駄死にさせた事など
散々たる結果だった事を指摘してる、
作戦参謀が潜水艦勤務が無いのに計画を立てていた
とかその無謀には呆れてしまう。
(そして現在の御用評論家はこういったことを
記憶喪失しネット上で拡散して大抵の信者も
知らないので何時の間にか日本の潜水艦凄いと
自画自賛してる、凄かったら70~80%も潜水艦は
撃沈されてないのだが、潜水艦の敵艦撃沈数と
被撃沈数や戦死者数同士を比べて更に人口や
工業力も考慮したバランスで比較しても
言える?)

他にも衛生観念が劣ってるので(日本軍は
精神力で乗り切る傾向)極めて劣悪な環境だったとか
多品種少量生産で非効率的な建艦、現在の海自にも
通じる部分があるのだが基本的に日本は単艦での行動が
多いのに潜水隊司令が戦時にすら乗艦して艦長が
指揮を取りにくかったとか読んでるだけで
日本軍は物量や情報などの基礎面だけでなく
実際の動かし方も敗北を目的とした事を
やっていたと断定したくなる酷さ。

3巻だけでもる山本五十六などの
物故者の批判もしている。
(元帥が人ととしては良い面も
あったが軍指揮官としては悪い面もあった、
ミッドウェーの責任を取らせてないとか、
沈没や敗北を1人に帰する事は難しいが
けじめは必要)



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