ドイツ人は優秀、スペースヲーカーReview


ドイツ人は優秀彼らがいなければ
宇宙へ行くのは遅くなっていた。

☆895

 

邦題「スペースウォーカー 」2017年 ロシア 136分 

1965年3月18日にソ連が世界初の宇宙遊泳をした
史実を描く インシデントも発生してるので
ある意味ソ連版<アポロ13
(リフトオフと事故原因の描写シーンは明らかに真似してる)
ややナショナリズム的だがそれを十分に補う良作
ラスト近くは本物の映像を使ってる。


冷戦と宇宙競争が背景でこの当時はソ連が勝っていたが
アポロ11号がホームラン。世界初の人工衛星
動物実験><有人飛行>等々でロシアがリードして
いた理由がウィキペディアは不正確にしか書いてない
ウィキオタはコメディーで馬鹿にされて
信じこむのは間違ってるのだが信じ込んでいる
ウィキ博士とかコケにされてるのに・・・・

 


セルゲイコロリョフ
設計主任
フォンブラウンのライバルに該当する
準主役なのだがブレジネフを除くと宇宙計画の
実質的最高責任者で絶大な権力がある
職務への厳しさ以外は真っ当な人間として
描かれてる、アメリカはフォンブラウン
英雄として描けないのでこの点ではロシアに軍配/
Op  Paperclip を批判する映画なら可能)

 

 

宇宙飛行士 監修
アレクセイ・レオーノフ中佐(1階級特進)
シベリア出身 3歳の時に反逆罪と密告される
真冬に放り出される 苦労家
テストパイロット出身 


船長
パベル・べリャーエフ大佐 30代で特別進級して
相当なスピード出世 

カマニン将軍


少年時代の回想がモッタイナイ 夢を持っていたことなどが
分かるがあまり面白くない

<冒険心>が必要だが整備士に気配りをする
当時としては珍しいはずのパイロット
(何処の国も威張り散らすのが普通だった)

ソ連の宇宙開発局内でも内部対立
エゴ 手柄 

当初の無重力訓練がパラシュート降下で
その開傘前の時間を利用してる
因みに今はパラシュート降下の訓練を
下から強烈な空気を噴き上げる装置
インドアダイビングだったかあれで一部代用する


後に弾道飛行の微小重力下で
民間人の体験で数十万かかってるから
1回の飛行でそれだけ掛かる(数百万~)

VFXとCGはアメリカと比べるだけ酷だが
物語<全体を通してみると>全く気にならない
アメリカのデジタル技術がある意味
過剰というか進化しすぎ。

1963年 第1設計局
同僚が事故で脱落
新しいパイロットと組む

芸術家志望だった 
幼少期の密告流刑まで描く
(無実の罪)


万が一の計算の積み重ね

製造過程で感電死する事故が起こるくらい
ブレジネフ時代
チュルトック

ニュース映画(プロパガンダ映画)の撮影
家族も出演させられる
スヴェタ 妻

 

実験機の失敗でダミーを乗せるつもりが
アメリカに負けたくないために(飛行士が)
リスクを恐れないので続行を希望する
(当時のソ連の計画もアメリカの計画も
決して計画通りで順調ではなく予定変更と
失敗の連続だらけだった)


CS アルマース2
CS ボスホート2号

宇宙遊泳で成功しても宇宙船内に帰還するときに
宇宙服の欠陥?で動きにくくなったり
インシデントが重なってる
そういった場合(想定外の事態が発生した場合)に
いかに対応するかが重要、幾ら訓練を重ねても
予想外想定外が起こるのが普通。
(科学技術上絶対には有得ないのに絶対にを
連呼してミスったら想定外で言い逃れする
程度が日本の実力)

宇宙船内に帰還しても酸素発生装置のヒビで
センサーが反応し一酸素中毒になりそうな事故が
起こったり、再突入の際に分離の際の噴射で
回転が加わったりと危険と隣り合わせ。

手動で再突入し計算上とずれたので
着陸地点が外れ真冬のサハリンに着陸し
発見されずに極寒の中で救出を待つ
(これも一歩間違えれば死亡していた)
非常用無線通信機でモールスを発信
アマの無線家が軍用無線を傍受するが
シベリア送り覚悟で通報してそれから
救出ヘリが捜索し救助する
(このアマ無線家が打上げ時に一瞬だけ
映り示唆されてるのだがこの時点では
彼が救出の発端となるのは明かされない
ロシアも物語の展開を上手く描写できる)
ヘリが燃料ギリギリで緊張させる流れだが
多分あの辺は脚色してると思える。
(EODではない普通の刑事が爆弾のタイマー
1秒前に爆発を止めるような安易な作り物と
同じ)宇宙空間での危険を回避して
地球に生還したのに発見されなかったら
相当な皮肉になっていた。


無線が通信できない地球の反対の位置
二人とも救えないか
一人を救うか・・・・・

彼らも英雄
東西なんか関係ない
宇宙開発に犠牲が付き物であるのも
冷酷な事実。
(失敗と費用の無駄も)
アメリカさえ有人飛行で犠牲者を出した

軌道上に放置するか
危険を承知で手動突入するか?
計算上では欧州や中国に落下するので
機密の為に反対する奴もいる。

ラスト近くで彼の父親と抱き合うシーンと
帰還し空港で娘と抱き合うシーンをオーバーラップさせ
切り替えてるのも感動シーン。
(1度タス通信で殺しておいて
生き返らせたのもさすがソ連だ)


PS

宇宙開発競争はアメリカが勝利したような
印象だが良くて50:50、積み重ねや世界初は
結局ソ連ロシアが勝ってる。