Review 1917:フィクションをリアルと勘違いする方にお勧め


☆1109
原題<1917>2019英

サムメンデス監督が祖父から聞いた戦闘経験を基に描いてる
全て彼の経験ではないが戦争での様々な事実の寄せ集め
眼前で独軍機が止るとか準備砲撃(突撃前の事前攻撃)が数回だけなど
映画上の演出もある(準備砲撃は数時間連続)
ワンカットでない部分でジャーヘッドや1917で
見た戦争がむしろ事実に近くアクション映画のド派手は嘘なのだが・・
生還を期さなかったスコフィールドが生き延び
生き延びたかったブレイクが戦死

「Down to Gehenna or up ti the Throne、
He travels the fastest who travels alone」キップリング


ドイツ軍塹壕の精密でコンクリート
強化されてるのに対し英軍大雑把
1917年4月6日~翌日の2日間

オープニングエンディング構図は共通しスコフィールドが
野花の近くで木に寄りかかって座ってる(ENDは木の側で
妻子の写真と未来を見る姿勢は同じで状況が変わった)

WW1時のイギリスも食糧難だった事が冒頭の会話から分かる
戦車 塹壕 機銃 飛行機 ガス(警告のみ)などの
大量殺戮兵器新兵器が登場してることも間接描写されてる。
機銃の開発者は犠牲者を減らすために開発したが
技術は往々にして初期の目的を逸脱する

塹壕を将軍(軍曹)の所へ行く間に塹壕が狭く深くなり司令部へ
退却に見せかけたドイツ軍の罠を追いかけた連隊に、
攻撃中止の命令を伝えるために敵陣地を含め
エクースト/クロワジルの森へ約15キロの危険な戦場を移動

その部隊に兄がいるブレイクは急ぐが冷静な
スコフィールドは夜まで待とうと対立
負傷者戦死者に対する扱い
最初に出会う障害は味方
ブレイクの困惑した顔表情

遺体の半分が回収されてない
ウィスキーで最後の秘跡

馬の死体 鉄条網 
ネズミだらけ 遺体だらけ(ネズミのえさ) 雨水
WWⅠの典型

飛行機は伏線
独語には翻訳がない

独軍塹壕退避壕でブービートラップにひっかかる
生き埋めの恐怖

戦時に重要なのは地図情報でありこのように<通信>だとも分かる
100年ほど前まで移動速度=通信速度(馬車や機関車)

天候:塹壕内:夜/光の対比での映像

戦場の友情

戦場→平原(非戦闘地域)→交戦地帯
「最後に笑うのは自然」

窓枠のショット「嫌な感じ」示唆
先を急ぐなら安全を確認後直に発つ

独が撤退する時に牛を殺し実の為る木を倒してる

墜落した独軍機のパイロットを救出したが
パイロットにブレイクが殺されスコフィールドが射殺

突然母親を恋しがる子供みたいなブレイク

直に感情表現をしない時間が経過してそれに気付く

スミス大尉にトラックに乗せて貰う
別の部隊の兵士が多数いるのに逆に孤独のギャップ
(対象を知らない物真似は意図しない仲間外れの典型)
駅から戦場へ向かう兵士を拾うトラック
トラックの中の兵士はインド人やそれ以外の
連隊=地域が異なり他民族と多様性を示す
そしてぬかるみと止ったトラックを動かす
同一目的の為に皆が協力する、最後にスコフィールドに
手を差し出すのはシク教

「最初は2人だった」(今は1人つまり片方が戦死したと
日本みたいに説明しないのが凄過ぎる)

橋が落とされたので遠回りをするがスコフィールドには
更に遠回りになるのでそこで降り別れる
下手くそScharfschützen のお陰で生き延びる
(あの距離で外す狙撃手は論外)

狙撃手に撃たれ倒れ時間と場所と距離の感覚を失う、
今までの自然光からフレア(照明弾)の人工光と
燃える街が灯り教会の炎が街を照らす(光を効果的に使ってる)
ドイツ兵が襲ってくる

一般市民でもドイツは男なら撤退時に殺害して
女性や子供(赤ん坊)だけが残った

赤ん坊の労働時間は1日20分間

エドワード・リアの詩「ジャンブリーズ」
子供をあやす詩だったのがスコフィールドにも
言い聞かせる(孤独で危険な旅に出る事)事と重なる

WW1は政治家や軍人の過ち
WW2はナチス(洋画)

鐘の音で時間の感覚を取り戻し街を出ようとするが
ドイツ人とまた遭遇する、相手も怯えて殺害を躊躇うが
大声を出したので<掴みあい>(独兵は死んでない)

独兵から逃げて川に飛び込みお約束<滝落ち>

川で流された時にチェリーの花が散ってブレイクを思い出す
市民の死体が目を食われてる!!


数年間音楽を聴いておらず
久し振りに聞いた音楽に感動したエピソード
歌ってる人の本業は歌手
戦争に向かう気持ち 旅立ち死ねば父母に会えるかも


石灰岩塹壕

退避壕に着くが警衛に止められる
面会できるが命令を即時に読まない
やっとで中止命令
(明日は再攻撃命令かもしれない)
やや到着が遅れ一部の作戦は実行され負傷兵が出た

Casualty clearing station
選別所では手足切断や大量出血の負傷兵だらけ

弟の戦死を知った後にジョゼフ中尉が
最期に一緒にいてくれたことを感謝し<食堂へ行け>が泣ける
(部下に慕われる上官だとも示してる)
殆ど台詞がなく感情と顔と握手


号令のホイッスルが今も同じタイプ(音)のを使ってる
戦場では誤謬が両軍にありそれに対処した方が有利となる

現代戦はC4ISRが兵器より重要
Command 指揮
Control 統制
Communication通信
Computer コンピューター
Intelligence 情報
Surveillance 監視
Reconnaisance 偵察