映画レビュー パニックインミュージアム


☆1187
邦題パニックインザミュージアム

2002年の史実とは関係ない
時代設定を現在に置き換えると撮影の手間と費用が
省けるので行ったなら兎も角<ロシア司法系ランボー>的に
1人のオモー(スペツナズと総称される特殊部隊の1つ)が
内部潜入しテロリストを制圧していく荒唐無稽な映画。
(因みに日本の民放で潜入と言いながら広報を通し広報の
言いなりに相手の都合通り放送するのは潜入でなく無料広告)

かと言ってチェチェン人達を完全に悪者にしてロシアの正義を
WW2のナチス打倒映画みたいにプロパガンダ主張すると
チェチェン侵攻などロシアの悪道も描かざるを得ないので
全てのテロリストを悪人扱いしてるわけでもないバランスはある。
(2002年の事件でも人質の無差別殺傷はテロリストではなく
 ФСБ が行ったことも描く事になる、この事件の
制圧に出動したチームがロシアプロパガンダでもΑ/アルファと放送したり
Β/ヴィンペルと書いてあったりどっちが正しいのか・・
<日本語>で”スペツナズ”を探すと格闘技などの
ベタな映像が多いがロシアTVでスペツナズΑや
ロシア軍以外にもオモー、グロム、ソブールブラット/司法系etc
各特殊部隊の訓練や普通に容疑者の逮捕拘束が見れる
(そして映画の逮捕拘束シーンがあくまでも映画であり
実際の様子とはかなり異なるのも分るし、ロシア警察の
荒っぽさ指摘するまでもない)
シリア内戦での実戦も普通に放送してる、このうちの複数の
特殊部隊が映画で出てる、右胸に部隊名、背中に所属

荒唐無稽なのはいくらアーマーを着用してるとは言え
撃たれてもほぼ無傷だとか(1発だけなら耐えられる)
落下しても下にクッションがあり生きてるとか・・・
その辺は全く面白くなかったが、ロシアの若者の実際の姿
(犯罪者になったりシンママだったり軍に志願したり)が
描かれたりロシアの一部が垣間見れた事は良かった
どんなに隠しても一般市民の家庭内(家具や家電製品)が
西側とはかけ離れてるのも映像で見えてしまう。

アッラニコラエフナがテロリストのアザマットと討論する事が
メインになってしまって期待ハズレというか本題が
何か分かり難い(ロシア版ジャックライアンなのか?)
テロリストの本当の目的は金だったと言うのも
<騙されたグループ側が何ら要求を出さない>ことから
面白くも無い設定(最初から政治的要求をしてる陰で
やってるならともかく)

日本の外務省がQA式のPDFファイルで海外で
犯罪に巻き込まれない為に、そして万が一巻き込まれ
人質になった場合に行う事というのを提供してる
コロナの<不要不急>みたいに抽象的で具体性を欠き
実際には役立たずの事を書いてるのに対して、イギリスの
間組織が公開してる対処が高く評価され日本語訳もしてる
人がいるのでそっちが参考になる(因みにその対処法の
セオリーから尽く道を踏み外した行動を人質が行いまくってる)
アフガニスタンから邦人脱出したのは不思議でも何でもない
あれが日本と自衛隊の実像。


ノルウェーイスラエルは政府が万が一、人質になった
場合の事を広報してるがノルウェーは上記イギリスのを
訳してるのかほぼ同じ事、イスラエルは流石常時実戦下にあると
言っても差し支えなく、日本とは違い真の危機対処能力があるので
それらより上の事を周知してる(コロナ対応やワクチン確保でも
イスラエルの能力は発揮されてる)
ノルウェーがそのような危機対応に力を入れてるのは
ロシアが旧共産圏の周辺国に侵攻してる事を危惧してる為。

 

追加記入
2021年やっとロシアTVでB/ヴィンペルの
特集番組が見れた、レポーターが<HALO>
夜間高高度降下低高度開傘の侵入訓練時タンデムで飛んだり
日本とは比較にならない取材(とプロパガンダ放送)をする、
人質救出に必要なスキルの紹介”リアルな狙撃”
テロリストに制圧された原発の奪還
(自爆してでも原発を破壊して来る前には死んでるかも)
1番興味深かったのはIEDの典型的な例を紹介。
αに関しては数年前に既に放送済(ロシアに限らず
海外は射撃に関して法律が厳しくないからレポーターが
特殊部隊と射撃訓練を一緒にやるのが普通、
競争して当然ボロ負けする)
Bは潜航中潜水艦に帰艦(出動はΑもBも)を
想定した訓練も見せた。

日本で司法系特殊部隊の出動=人質救出と誤解されてるが
ロシアに限らず欧米の多くは<麻薬売人><強盗犯><自身の
子供を強引に自宅へ連れて来る元親/親権がない>等で直に出動するから
出動回数が極端に多く<日本警察特殊部隊凄い>はかなり
平和ボケしたアホしか言う資格はない。
警視庁24時みたいな無料広告番組で垂れ流すのとは
ド迫力が違い警察の凶暴性も違うが(犯人が撃たれ血を流すのも見せる)
<ロシア警察は犯人の人権を尊重してる>と
日本の民放レベル虚偽を流すのは同じだった。