Book レビュー 特務

 

日本経済新聞出版

リチャード Jスミス
Special Duty <特務>
スペシャルディーティー

日本のインテリジェンスコミュニティーの歴史

安倍を礼賛し過ぎ
ネオコンと関係する著者らしくアメリカのネオコン
礼賛してるのにも驚く(アメリカでは絶滅したに等しいのに)

第2次大戦時の陸軍特務機関(藤原機関、光機関など)は
中国やインドでまあまあの活躍はしたが<戦術レベル>でしか活動できず
しかも集めた情報を軍部も政治家(東條など)もまったく活用せず
戦略的な運用も収集も出来なかった。

戦後も中野学校出身者やそれら特務機関出身者が一部情報活動を
行ったが<日本軍の復活><金儲け>などてんでバラバラに
活動して統合運用も活動も情報の集約も出来ずに今に至る。
(外務省や防衛省で集めた情報は互いに交換しないとか)

日本が打上げた偵察衛星の解像度はアメリカの商業衛星にすら
劣る、それから集められた情報がさらに劣った分析官が判断するから
さらに酷い情報になる。

第2次安倍政権が日本版NSCの創設や拡充を図ったが
↓以下は本には書かれてない
<起りもしない第2次朝鮮戦争を期待予言>
したりNSCは直接関係ないが安倍のコロナ対応で
分るように<本当の危機を危機と判断する能力>などが
本来は重要、CIAが武漢で未知の感染症(コロナ)を
察知したのにトランプが対処しなかったなど情報も
重要だが、それを信じなかったら意味がない。
(CIAの工作で失敗作戦を数え上げたらきりがない
成功事例もあるが)

MIT教授が執筆してるから理論部分が正直
難しいので理解し難い、しかしいくらインテリジェンスを
拡充してもその本家本元アメリカすら真珠湾攻撃
察知できなかったし、9.11も察知出来なかった
(兆候は気付いてたにも拘らず)

そしてイラクでは有りもしない<大量破壊兵器>を
存在すると大嘘インテリジェンス分析するなど
失敗してる。

日本ではその安倍政権を引継いだ菅が
2021/8/15日のAFG邦人脱出で失敗したように
外務省も自衛隊もそのNSCがあるにも関わらず
特定の地域(=言語でもある)は節穴。

中国 ロシア 北朝鮮以外の国はたとえ脅威になっても
日本の能力を超えるのでそれ以外に資源や人員も
割けないし割くべきでもない(そして域外には
対処しようもないのに背伸びするから両方駄目になる、
たとえばモサドが世界最強とも言われるがあくまでも
中東に関してでありそれ以外は殆ど対応能力は無いし
合理的なイスラエルはそれ以外は初めから集中してる)


PS
最後の方に出典を書いてるが
産経新聞を頻出させてるからその根拠も怪しい
(朝日もあるが)産経の提灯礼賛と大ハズレを
知ってれば極右系の本以外は普通は論拠にしない。