二部作 後半


フランス軍ミリメシ

フランス国防省が1~2ヶ月に1度配信する
ショートドキュメンタリーがある。

狙撃手やアメリカ海軍のレスキュースイマーに
相当する海難救助員(フランスの場合は沿岸警備隊も海軍が兼ね
アメリカ海軍のスイマーより海保の救難隊員に近い)
特殊部隊、MWD(K9)、予備役(ただしパリでのテロ以降は
警備強化の為に陸軍は訓練以外でも実務招集された)等々の
フランス軍が報道したい事を教えてくれる。

海軍広報や国防省広報は新型フリゲート
シャルルドゴールなどに集中するが、食事に関わるので
特別でもない掃海艇だった、しかし初めて気付いたのが
フランス海軍は海自や米海軍と違い兵下士官は囚人みたいな
凹凸トレー1枚での食事ではなくきちんろ皿やボウルになってる
(さすがにプラスチックで士官は陶器みたいだが)
もちろん他の艦艇も統一されて、調理学校では
一通り学習し専門ではパン職人まで育成して
大型艦になると一日中パン生地をこねて焼きっぱなし
(タイミングが合えば比較的焼き立てに近いし、
種類も2~3種類!!!)

大型輸送機の長距離飛行では貨物室で電磁調理器で
料理しながら食っていた・・・・・米空軍の
空中給油機が飛行中にピザのソースを塗りトッピングまでして
それぞれ好みを焼いてもらい食べていたのにも驚いたが
それ以上だった。

さすが美食の国フランス。



ノルウェー軍とIDFの共同研究で
戦闘時に爆風などによるショック時に
どういう対処をすればいいか映像が有った。
幾ら調べても英語では出てこないので
グーグルに依存するしか翻訳できないが
軍事用語医療用語だからニュアンスが全く分らない
(日常英語と軍事英語が同じ言葉で違うのと似てるはず)

ただその映像がクール過ぎだったのと
恐らく空挺隊員(エリート通常部隊)程度で
既に陸自特殊作戦群レベルの装備なのには驚く。
(経済バランスが優れてる西側先進国の個人装備は
自衛隊の遥かな先を進んでる)




ロシア海軍カムチャッカ基地




ウクライナ撤退


ロシア通常型潜水艦が米空母を捕捉した

建造中のコルベット艦が炎上(物理的)したと
ロシアのプロパガンダサイトが掲載していた。


自衛隊凄い海自潜水艦凄いで時々書かれる
<米空母を訓練で捕捉しシュミレーション撃沈>したから
海自最強と何時も珍説を披露する人が多いが、
米空母を訓練で撃沈してるのは他の国も普通。


ウクライナの撤退は1/10の1万人は撤退させたが
本格撤退とは思えず今後も不明、2022年1月中旬に
ロシアが攻撃すると書いてるメディアもあるが、
ウクライナ情勢ですら分り難いのに、日本が台湾侵攻や
北朝鮮の攻撃を予測できるか疑問。
(敵基地攻撃能力)

現在のウクライナで西側が先に攻撃したら
ロシアには格好の口実になる、挑発も含めてるし
可能性なんか偶発戦争の可能性も含め誰にも分からない
プーチンがやる気はなくても現場指揮官が
旧日本軍みたいに暴走する事もありえる、そして
互いに誤認して拡大するシナリオも
計画的侵攻よりも有り得る、訓練を繰り返し訓練と見せかけ
油断した所で攻撃するのがセオリーで何回も繰り返すのを
見抜けるとは思えない、つまり戦争の兆候は分らない
ややこしいことを書いたが)


本題はここからカムチャッカ半島ロシア海軍
潜水艦基地がありそこを国営TVが取材している
ロシア語放送は見たが当然まったく言葉が理解出来なかったが
英語放送があり意味が理解できる番組になって流れた。

訓練の想定が凄い<艦内で火災発生><敵潜水艦への攻撃>
<SLBMミサイル発射>を同時に行い年に一度の
インスペクト・訓練監査の様子だった。
(桟橋に接岸中で動いてないが)

他にもロシア艦が危惧してるのが敵フロッグマンによる襲撃
(裏を返せばロシア軍もそれをやるという事、それが分らない
日本の軍事評論家とネトウヨがその対抗策をとってる
他国を見下す平和ボケを炸裂させる)

事故を想定し艦外脱出の訓練など色々見せていた
ロシア艦もディーゼルエンジンを搭載し非常時
緊急出港に備えてるなど艦内説明。
米軍潜水艦もウィキには記載されてないが
非常時用にディーゼルエンジンが備えられてる
一応排気口もあるのだが、ディーゼルの搭載すら
しらないだろうからどこにあるかも知らない人が多い
私は偶然けっこう近くで<撮影する>機会に恵まれ
ここにあったのかと納得した、もちろん浮上中か
原子炉が稼動してる潜航中非常時でしか動かせない。
ソ連時代50年前に沈没事故で乗員達が救難艇によらない
単独脱出をした経験もあるそうだ、もちろん浅海だから
可能だったのだろうが)

カムチャッカ半島の戦略潜水艦は別に宗谷海峡
津軽を経ずに出られるから海峡封鎖の意味がない。
JSF氏は発射時に海水を排水する必要はないと
しょうもない事を必死に説明していたが、ロシア軍は
どういうケーブルアンテナで受信するか~発射命令後の
艦内の動き、艦の動き(1度潜望鏡深度へ浮上し
敵水上艦などの脅威がない事を確認)、低速航行中でも
発射できること、深度30m~50m程度で撃てる事
諸々の説明をしてくれる(発射はボタンで点火するのも
西側は全て引き金式)、東西で異なるらしいが
フランスは特定海域を移動しつつ命令が来たら
特定ポイントへ移動するらしい(自艦位置を確定しないと
目標位置を入力できない)






☆病院船


アメリカで昨年コロナ患者が大量に出た時
海軍の病院船がNYCに派遣された。
病院船は基本的にサージカル・トラウマ(あの心的外傷後遺症では無い方)
を対象とし民事支援(自衛隊で言う災害派遣)を想定し
小児科と婦人科も対応してると思っていい。

つまり感染症対応には絶望的に不向きな解放病棟(2段ベッド)で
何故そんな艦を派遣したかといえば<一般病院の患者を転送し
その空いた病床にコロナ患者を入院させる対応のため>

日本のネオナチ軍事評論家等が海自にも病院船の建造をと
主張したが感染症には役立たずという事が分かってないらしい。
地震の場合でも港湾施設が壊れたら入港しようがなく、
運搬手段=へりや救急車もセットで支援できる必要も想定してない)


病院船内のツアー的な映像は有ったがその民事支援映像を
所属艦隊が公開していた、側面の入り口からストレッチャーを
3Fも上に運んで(スロープを設けてる)そこから受け付けて
検査していく、CTやレントゲン等々の施設も見せて
ナースや医師の士官がカメラをセルフィー型式で艦内案内
してると、気付いたスタッフが手を振ったり、毎朝の
ミーティグに立ち寄って<今日は何のトレーニング?>と
下士官に質問したら相手が座ったまま背中を仰け反って
リラックスしながら答えたのが笑える。
(正式な取材や質問ではない)

それ以外にはその録画してる士官達が予備役で
今回が3回目の呼集で<誇りに思う>と述べていたのが
印象的だった。

病院船を建造するのは病院を建築するより高くつく
しかも医師看護師の確保だけでは済まず運航要員も必要
日本の将来的衰退を考慮してそれが本当に必要か否かは
賢いなら考えなくても分る。
(現存の病院から引き抜けば自衛隊病院機能を
落とす事になる)







イラク戦争

米軍戦死負傷者はアフガニスタン戦争の約2倍だったにも
かかわらず、報道量と広報量は逆にアフガニスタン
1/2という逆転現象があり見れる映像は少ない。
(両戦争を扱った戦争映画でもアフガニスタンを題材にした
作品が多い割にイラク戦争を舞台にした映画が少ない事でも
分ると思う、片側だけに従軍せずに両方のツアーに派遣された
兵が多かったにも関わらず)

邪推でも陰謀論でもなく考えられる理由は
<米国民が戦争報道に飽きた>
<敗北戦争・犠牲が大きい戦争は国防省などが
報道を制限/従軍取材を断るなど幾らでもできる、
もちろん報道の自由が有るが米軍の護衛なしに
見知らぬ危険地帯を取材する奴は少ない)

映像報道時期は古いがアメリカの放送局が放送していた
戦闘シーンというより<現実>を取材してる番組で
「そりゃアメリカ軍が現地民衆に嫌われて当り前」という
シーンを幾つも見せる。
(戦闘がアフガニスタンが山岳戦メインに対して、
砂漠の大平原での対IEDや都市戦闘型に移行など
全く違う)

待伏せ攻撃を受けその戦闘員を拘束した
両親と住んでいて両親は息子が戦闘員かどうか
本当に知ってたか知らなかったかは分らない、しかし
<家をブルドーザーで完全に破壊>し老いた両親は
「住む所がないと」落胆し呆然としてる。

M1戦車が走行していて一台の車の横で止まる、
その近くで屯していた現地住人達に戦車兵が<職質>して
車の上に乗せていた木材が盗まれたものだと分り、
ピストルで車両に発砲し使い物に出来なくしただけで終わらず
戦車名物<自動車踏み潰し>で片道だけでは気が済まず
丁寧に往復してぺしゃんこ(一瞬だけ断末魔みたいに
車のクラクションが鳴る効果音付き)

因みに<自動車踏み潰し>は一見すると簡単だが
”必ずキャタピラで乗り上げて走行”する必要があり
真正面から突っ込んだら押し続けるだけでコツが必要、
自衛隊の戦車競技大会でやってるかは知らないが欧州各国の
大会ではこの<自動車踏み潰し>も種目の一つ。

他にも前に書いたがヤギに向かって<容疑者発見>とか言って
テーザーガンを撃ち込みヤギが倒れて痺れてるのを笑ってる
米軍兵達とか散々な事をやっていた。

付随被害(巻添え) 誤爆 あらゆることをやりつくし
当然ながら民衆の支持を受けず敗北同然に撤退。


PS
アメリカ軍が基地内や艦艇上では
関係者を招待した公的行事以外は禁酒なのは有名だが
実は兵士には年に1回だけ大っぴらに飲める日がある。
飲める量がビール2本と少ない、陸海空軍海兵それぞれ
<酔っ払い公認日が違う>というのが不思議。

日本人と違い欧米人は酒に強いといわれてるが
ビール2本程度で完全に酔っ払いヘベレケで
カメラに向かって何か言ってる海兵隊員は笑えた。





☆墜落撃墜数


その前にティアシステムの最終修正
これが正しい、同じ資格(CCTやPJ)でも
能力で配属先が異なる場合がありそれが
1と2の違いになる、ティア2で<修行を積まないと>
いきなりティア1には配属されない、つまりCCT資格を
初めて取得した隊員がいきなり24thSTSに入ることはない。
USAミリタリーチャンネルでグリーンベレーが流れていて
マニアが色々コメしてたが所詮マニアのレベルがその程度だと分る
今のグリーンベレーは絶対ではないが基本的にブラックオペレーションは
行わない。

ティアー1

DELTA
DEVGRU
MARSOC
24thSTS
RRRC



ティアー2

シールズ(DEVGRU以外)
<リーコン/通常部隊だが支援能力はある>
24th以外のSTS
レンジャー
グリーンベレー
ASYMMETRIC WARFARE GROUP


ここからが本題

ある極右ネトウヨ=ミリタリーマニアが
AH64アパッチは戦闘中に撃墜された事はない
最強ヘリだから陸自はAH64を導入し続けるべきと
マヌケ過ぎることを抜かしていた、WAR ON TERRORに
おけるヘリ損失は約300機(事故+撃墜の参加国総合計、
事故機にはジェット戦闘機やプロペラ機も含まれるが
桁違いに少ない)、うちAH64だけでも11機が飛行中の
攻撃による損失となってる。
(統計の定義にもよる、米軍といえども数を少なく
見せたい時は基地帰還後に修理不能による破棄は
損失には計上するが撃墜には計上しないはずだから
どう扱うか知らない11機に含めてるかも)

ちなみにベトナム戦争時の米軍の<撃墜された数>
ナム ヘリ5607機  飛行機3744機 その他計10.000
(恐らく事故は除いてる 撃墜数で検索)

ソ連時のAFG戦争損失 ヘリ333機 ジェット118機
プロペラ機が含まれておらずソ連が正確正直に申告したとは思えないが
それでも隠しようが無い(パイロットの戦死)でこれだけは撃墜されてる。

AH64がイラクとAFGで撃墜された数が極端に違うのは
イラクでは対空ミサイルの犠牲だと推測される(当初は
正規軍と戦ったしイラク軍残党が保有してた可能性もある)
イラクの場合事故機が多いのは砂漠で視界不良であったり
整備不良が多発し事故が多かったと思う。

AFGでCH47が多数撃墜されたのはタリバン(ゲリラ)でも
大型鈍重の航空機は格好の標的になり、特に離着陸時の
低空低速時やホバリング時に攻撃されていた。
(AFGの地形なら必ずしもタリバンは下から上に
射撃せず山岳地帯から下、横に撃てたから容易だったのもある、
4つの対空陣地で待伏せ攻撃など/COPへの補給ルーティンなど
チャンスは幾らでもあった、イラクの場合は補給ポイントが
作戦ごとに流動するから/部隊が動き回り、待伏せは難しい)

投入数 飛行数 作戦数 戦況もろもろで一概には言えないが
それでも<損失ゼロの最強ヘリ>は妄想と分る。
ジェット機はA-10が1機撃墜された程度で
FA18がFFによる損失しかなく敵の攻撃ではないから
固定翼機は格段に撃墜率は低い。
もっとも対地支援攻撃には爆弾とミサイル以外はあまり
役に立たない高速すぎて機関砲では当たらない。
(低空飛行をすればそれだけ危険を伴うだけではなく
燃料を食い滞空時間も減り効率が悪くなる、降下上昇の
繰り返しも同じ、近接航空支援は地上部隊が欲しい時に
欲しい場所で行えないと意味がない空軍だけがやりたいように
やってては支援にならない)



左はロスト(事故故障)-右ホスタイル(敵攻撃による損失)

イラク計(数には同盟軍全てを含むが代表的機種のみしか書かない)
   129-29(合計158機)


OH58 33-10
AH64 34-15(4機は駐機中迫撃砲による損失)
UH60 28-13
AH1  8-3
CH47  7-1
AH6  1-1
CH46  6-2
CH53  5-0
SA330 4-0
MH53  2-1
UH1  3-1
C130  4-2 (ロスト英国2機米2機) ホスタイル英2機
 



  AFG計
    118-35(合計 153機)

AH-1   3-1
AH64  13-0
UH60  17-7
CH47  28-13
CH53   3-0
HH60  4-2
OH58  8-4
MC130 2-1
C130  4-1
AV-8  8-7(7機は地上)



結論
ネトウヨが語るマニアックは中学生レベルの妄想珍説。