映画レビュー ミナリ


=================
しょっぱい雫
☆1215
原題<MINARI>
邦題「 ミナリ  」A24 2020

原題は植物の<芹>の韓国語のセリ


夫ジェイコブ(=ヤコブ
妻モニカ
息子デビッド
娘 アン
ハルモニ
臭い 鼾 不味いスープを飲ませられ当初は
デビットは毛嫌いする
料理は出来ないクッキーは焼けない・・・・


初めは何故わざわざアジア系移民に設定したのか?
移民なら欧州系でも良かったと思ったがアジア系=
<家族を描く>
欧米人は個人主義だから従来のA24作品もほぼ
<個人の自立>であったり<個人の問題>だったのに対し
この作品は<家族=三世代=継続=共同体>を描く。
(時代背景としてアメリカがアジア系移民の
受入を解放後の事も15年以上前に解放してるが
ある程度の成功者などがいたり韓国が1960年代は
経済的低調だった事も重なってるただしそこは描いてない)


どちらかと言うと陰鬱的で決してハッピーエンドにならなさそうな
展開や描写が多い中、<山の雫>を持って来いといわれた孫が
<棒の雫>を注いで飲ませたり(多分臭いで気付くはずだが)
孫にギャンブルの手解きをするなど常識外れのオモニとか
その所々のギャップが笑える(笑いがあるからジメジメした
描写が引き立つ)、その流れ/雫で言えば2015デンマーク映画
<KRIGER>で息子が話すプールジョークに似ている
(全体として暗い流れで対比として挿入)

一生懸命に土地を耕し苦労して収穫した農作物より
<適材適所>で水辺の適した土地なら容易に育つ
ミナリ・芹が結果的に家族を救う。


韓国からアメリカンドリームを求めて移民
しかし簡単ではない、アカデミー賞受賞後の
批評では誰も書いてない<苦労/これは書いてるが>
もあるがこの家族が最終的にサクセスストーリーで
完全なハッピーエンドで終わってない事は
低所得者層・貧困からのサクセスストーリーの
終焉>と解釈する事も出来る、実際問題として
今のアメリカでは<親の資産>がない場合は
成功はほぼ不可能と言える。
エンドの描き方は希望も持たせるが干魃や
逆に豪雨、それ以外にも大量のイナゴ発生・ハリケーンなど
自然相手の農業だから成功する保障もない。

 

土がいい
妻は到着時から不機嫌

孵卵場で雌雄の区別

キリスト教

ウィルキンソン孵卵場
<オスの雛を廃棄>
雄は美味しくないし卵も産まない

アーカーンソー夫婦喧嘩
朝鮮戦争で夫妻の親は妻の母しか
生きてない。

夢の中でトイレをしていたら
ベッドの上だった<おねしょ>あるある

ダウンジング
<金を払わなかった男がいるどうなったと思う?>
銃で頭に風穴を開けたのが以前の土地の所有者

ただで見つけられるものに金を払うな
→投資したらリターンがあったのにケチって失敗
水道料金より300ドルの方が安いはず

オモニが家事を手伝おうと無理して
働いてるのが<地獄の道は善意から>とは
想像ついた今流行りのSDGs上から言えば
野焼きみたいにあんな風に排煙処理しないのは
駄目だという事か?

レーガン大統領

MOUNTAIN DEW

7歳の子にお土産が花札
「今からやっとけば強くなる」


ポール 朝鮮戦争従軍経験者
祈る  祈る
宗教

しかしプロミストランドでもゴッドランドでもない
韓国教会が嫌で逃げてきたのが韓国人の先輩達15人

「教会に正装でいく」
「ペニスブロークン」
「アナルホールブロークン」
寄付の皿で100ドルを回収するハルモニ
教会の人達はみな親切

教会で出会った少年<ジョニー>の家に
泊まっていいか?と聞いても
<ディンドン>が壊れてるから駄目だし

棒の雫を飲ませる時にトイレで<これは夢じゃない>と
抓って確認(軽い伏線というかネタを仕込んでいた)
ドラム缶でのゴミ焼却もある意味伏線に近い

手を上げっぱなしの<躾/恐らく韓国軍での体罰
棒を持って来いと言われて葦を持ってくる

地下水が枯れ水道水を撒き水道代が払えなくなり
止められる。
<ハルモニは川に水汲みに・・・・デビットと>


農作物の出荷直前にダラスの相手が契約を強引に破棄
アメリカ型の契約社会だと思ったら韓国人同士の
口約束)

農作業を手伝うポールは不気味な存在だが
彼がいたからこそ最終的には燃えたにしろ
農作物の収穫が出来たり彼は家族に欠かせない
存在
ミナリ=彼ら家族
逞しく育つ

「見えないより見えてた方がいい」

祈れば天国を見られる
デビットは<夢の中でトイレに行ってない>のに
布団が濡れていたのはハルモニが脳梗塞で倒れたから
一応家に戻ってくるが半身不随になる

十字架男 ポール 引きずって歩く苦行

バッキーリード 以前の農場主
ジョニーの家がよくまああの時代のものを
そろえたと感心する小道具が多い
邦画やドラマは現代作品でも酷いのに。

母親は夫と別れCAに行く事を考える

天気予報の熱波=極度乾燥スーパードライの示唆

デビットの経過観察に病院に行くと
心房の穴が小さくなって<奇跡的に回復傾向>だと分る
序に韓国食品を扱う商店に取引きを持ちかけるため
サンプルを持参し余計に妻に嫌われる
幸いにも商談成立はするが妻との仲は決定的

農作物=唯一の資産の納屋が消失

さすがに責任を感じたハルモニは
出て行こうとするが子供達が引き止める

しかし何故妻が最後に出て行かなかったかの
説明はなされない