映画Review Greed


☆1236
原題<Greed >
邦題「Greed 」2019SONY FILM4(米英)

原題:貪欲

1.ファッション界の王
2.若い日のリチャード
3.傲慢なワンマン社長
4.宣伝用ビデオ
5.リチャード式錬金術
6.富裕層と貧困層
7.誕生会は豪勢に
8.驕れる者の末路


SONYもまあまあだが英FILM4はBBCやBFIに
並ぶ英国の優れたフィルムメーカー、作品を列挙する惨めな
レビューは他人に任せるが調べれば幾らでもあの作品も
ここか!!と思い浮かべるはず。

MONDAは架空のブランドであり
実際のショップ名はTOPSHOP(日本からは撤退)
登場人物は一部架空と実在の人物を敢て架空に設定。
フィクションとノンフィクションを混ぜたフィクションで
名誉毀損とか商標権のトラブルも避けてる。


当初はファストファッション(つまりSDGsにも反する)への
批判かと思っていたが実際は行き過ぎたキャピタリズム(資本主義至上主義)
新自由主義サッチャリズムの終着点への批判をしてる。
皮肉な事にイギリスのファストファッション業界の混迷も描き
イギリスの高級ブランドと言えば誰しも思い浮かぶ(はず)の
バーバーリーなどの高級ブランドは磐石だがそれ以外の
中堅やこの手のファスト系は世界的に成功しなかった。
(イギリス国内や欧州内ではある程度成功してる)

サッチャーレーガン保守系)が新自由主義のシャッターを開けたのは事実だが
それを拡大させたのはブレア首相だったりアメリカならクリントン
オバマなどのリベラル系だった、日本で言えば小泉改革が出発点だが
実際には安倍元首相下での株主至上主義大企業優遇が拡大した事も見逃してる。
(非正規雇用者の増加など貧富格差が広がったのは安倍政権下の方が酷い)

 

バングラディッシュなどの途上国へ激安で働かせ
資本家だけは12億ポンドのボーナス、
しかもモナコ公国タックスヘイブンなどの金持ちの租税回避なども

物語の流れとしては倒叙法で主役が最後には死ぬ事と伏線で
息子が関係する事は分った(後々ライオンが参加貢献するのも)、
そしてこの人物は映画でも
実在の人物も人間のクズ(つまりネトウヨ)でパワハラ
人種差別などトラブルメーカー。
アメリカでも流行ブランドのオーナーが差別主義者で一瞬だけ
騒がれたがファッションの流れも速く今は没落してしまってる。
コロナ禍での外出減少が衣料品需要低迷に繋がるだけでなく
オフラインはオンラインが敵になり余計に売り上げが落ちる、
そうやってアマゾンに処刑され市場を去る(倒産)を衣料に限らず
DEATH BY AMAZON と英語で表現する(事実)

投影されてる実在の人物は確か爵位剥奪されたのでは?
脱税疑惑など凡そのエピソードは事実でフィクション込み

コッロセウムの演出とか明らかに異常者
あのライオンが2重檻でなかったり明らかに
安全軽視をしてた(あの程度なら鎖に繋ぐべき)
しかも檻があるからと挑発するアホ。

 

シリア難民を邪魔者扱いした上に
食い物だけで誤魔化すつもりが一応最低賃金
そして娘がカトラリーのことを盗んだから彼女が取り返し・・・
全てはつながってるという演出(ブーメラン、彼女の
母親とか全てが関連する)

億万長者がほんの数万か数千円カトラリーが間接要因で
死ぬ皮肉

 

リチャード卿
サマンサ EX妻
ニック 編集者作家
マーガレッド リチャードの母親
アマンダ スリランカ出身の女性部下 後にボタンを押す
クラレンス リチャードを始末するライオン

エルトンジョン 歌うと100万ドル 自家用ジェット 追加費用
シャキーラ 混み込み300万ポンド
35万 トムジョーンズ

ヒュブリス ギリシャ語傲慢
高慢は破滅に先立つ→アリストテレス訂正→イソップ
(実際は聖書の言葉だからこの手のジョークが笑える)


リチャードのプライベートスクール時代を描き
彼が少年期からクレイジーだった事を説明してるが
(母親もモンクレ)その上ギャンブル好きとか
その中で別人に演じさせ無理矢理主役の俳優に
若作りさせてないから違和感がない。
40代に少年時代を演じさせるのは無理があるのに
日本では普通。

アイリッシュは嫌われていたロンドンでは

大量購入の交換条件で仕入れ値を下げる
現在のビジネスでも普通にやって
特に下請けイジメの温床

しかし彼は交渉力と演技力はあった
一部のこの手の成功者は人間的にクズでなければ
社会的成功は出来ない。

スリランカ 50ペンス 
フル残業で残業代なし(労基法がない)

資本家の傲慢も描くが
イギリスの傲慢でもある

やらせのリアリティー番組
日本でも<自称>リアリティー番組で
出演者を自殺に追い込む事件があった。
(煽られて煽る奴が加害者になった)

グラデュエーター
ゴットファーザーをテーマにした誕生パーティー

エクセレント初回の店のニールへのパワハラ
難民にチキンを配って取り上げる
警察を使って追い払う
撮影


どん底からの転機

モナコで他の億万長者を利用し
合法的脱税(租税回避)

ジェイムス /7万5000ユアビューティフル
「まだ1曲でしょう」
イギリスの一発屋(本物)
こういう台詞を待っていた

株式の非公開化

クリスのKYぶり
ジョージマイケルは死んでる
偽物タレントで誤魔化すレベル

勝つためには冷酷さも必要
ショーで息子がファッション界を制覇すると言ったが
実際はTOPSHOPは潰れた

敢て作品名まで書く必要はないと思うが近年増加してる
<行き過ぎたグローバル主義>
<資本主義至上主義>への批判警鐘が込められた映画の1つ
それでいてその映画を製作してるハリウッドそのものが
典型的グローバル主義と株主偏重とか資本主義至上主義の
賜物というのが皮肉。

 


Ps
プライベートコンサートなどでの
相場が分ったのは役に立たないが役に立った