映画レビュー グンダーマン


平凡な人が1番怖い
☆1237
原題<GUNDERMANN>
邦題「グンダーマン  」2018PANDORA FILMドイツ
優しき裏切り者の歌

原題: 主役の人名グンダーマンから

1:1992年
2:1975年
3:ブリギッタ鉱山
4:お誘い
5:もう1つの果物鉢
6:酒は禁物
7:グレゴリ
8:同志
9:最高な舞台
10:コニーとの夜
11:加害調書
12:決断
13:謝罪しない
14:僕はここで生まれた


シュタージを扱った名作に
2006年「Das Leben derAnderen」があるから
シュタージの説明は不要だと思う
ウィキでもある程度はしてある。
DDRを描いた映画には100%出てくる

コニー
コニーには再婚相手 彼にとっては初婚
グンターマン(グレゴリ)シュタージでのグンターマンの偽名
炭鉱労働者がコンサートを開きスカウトされた結果
一応DDRとしては成功した歌手らしい
(東側から西側に行くのは超エリートしか
許されなかった)
ヴェンニ コニーの夫(元夫になる)


グンターマンの炭鉱の同僚が
小さな独裁者で脇役で出演していた

ミュージック映画としての側面はあまりない

マキシミリアン・ハンマッハ
西ドイツ在住の敵対者をハンガリー接触
<東ベルリンに招待>し逮捕させる
具体的に何をしてたかは分らない

父親とは疎遠 


彼の小物ブリが笑える
決して褒められるような人ではないが
逆に憎まれ恨まれるようなタイプとしても
描かれてない(実際は知らない)


体制側にいた奴は体制崩壊後に苦労する

破壊措置命令

加害者が被害者
被害者が加害者 ”これ”は知らなかった

「個人崇拝は嫌いなんだ」
報告した事すら覚えてないゲス
それでいて時々正しいことを言う

幹部と現場の連携不足
ノルマ達成をショベル回転数で計測
空っぽのショベル 生産量ゼロ
(普通は採掘重量)


DDRの低生産性を説明
トラックが単に便乗させてもらってたと思ったら
ああいう形をしたバスなのか・・・


東から西に行くには<忠誠が必須>


炭鉱の掘削機械など当時の雰囲気をよくも
出せたと関心する
東西ドイツ統一後は東独の低生産性非効率な
企業などは一瞬で閉鎖されたのに

コーヒーカップ?にシュタージのシンボル
果物鉢で結果を表現するとか
邦画では有得ない演出
「僕のとそっくり」というのは互いに
協力者IMだったという伏線
あの果物鉢がある家庭は協力者だった証
しかも互いが互いに報告しあってたとは・・・

密告者だったとフォルカーと言う知人/元仲間に自白後に
断っていた酒を飲むのは爆笑
ドイツ作品としてはジョークが美味い
「Das Leben derAnderen」も暗い流れの中で
唯一笑えるシーンが入っていてその落差がアクセントになる。

「破壊措置命令」 何を破壊するかといえば人格と生活


DDRに限らず
<家族が家族を密告して結果家族が
刑務所に行った>という悲劇

密告社会強権独裁国家でも永続した国は例外に近い
DDRがこのような警察国家でも結果的には45年くらいしか
続かなかったのだから監視社会を強いても意味がない
民主主義が完璧かと言えばトランプ選出みたいに
決して完全でもない。



歌詞は決して悪くない

謝罪する気もない
虚勢を張って正当化する



正直に書いておこう
映画を見るまで彼の存在なんか知らなかった

統一された過去、ある意味別の国だったとはいえ
自国の黒歴史を振り返るだけでもドイツの
映画界の


裏切りは裏切り
3回 30回 300回も同じ
トラビ 東のポンコツ

露天掘りのクレーンなどはどうしたのだろうか?
実際稼動してる場所があるのか?
DDRの滑稽なノルマが笑える

<計画案を実行すれば労働基準は守れない
労働基準を守れば生産性が守れない>
「同僚悲観論は聞きたくない!」
<同志だ>


ハリネズミを助けようとする
優しい人間ではあるが、信念がないし
長いものには巻かれる程度だった

ブルンヒンで

TKRRF

ヴォルツウ炭鉱(多分)
露天掘りはコスト面で有利な上に、この炭田は
特徴的な石炭が出ることで有名(ウィキに書いてないだけ)
現在も採掘してるが、掘削機など機械類をどう撮影してるのか?
多分あんな古いタイプは使ってないと思える。



偽名

責任の擦り付け合い
責任放棄
安倍の親戚が東独にいたとは


実際のシュタージの報告書はそっけない
例えば
22/05/1961 
情報提供者名
対象者名
記録者名(シュタージュの士官)

「○○時に何処そこへ行った」(記録者のコメントで××と推測される~)
「どういう発言をした」
「誰それと交際してる」等で長短はあるがせいぜい400文字もない1枚
監視対象に入ってから壁崩壊までだから膨大な量になる。
そんな事がドイツ的に簡潔なしかも役所用語で記録されてる
ただし政府や政治家批判発言を本当にしていたら命取り。

バンド仲間=同僚の妻と不倫した挙句に略奪婚をするとか
凡そ教科書に載せられるような人生や性格ではない、
ただ異性にだらしなく下半身には人格がなくても
最高額の紙幣の顔に刷ってくれる国があるから
(本妻と妾を一緒に住まわせるとか幾ら当時の上流階級男性が
愛人を持つ事を許容されていたとしてもある意味異常)
グンダーマンの悪行は密告された被害者が恨み批判攻撃するのは
兎も角、これまでもこれからも彼の行いと人生に関係がない私が
激しく批判する必要もない(褒めはしないが)


音楽での成功者として(ただしDDR/東)の
資質は有ったが人間的にはサイテーな側面も多い
得てしてアーティストはそういう人は多いが
むしろ小心者の側面すらあった

最低ゲス人間がアーティストになれるかといえば
それは別問題、現に全てのネトウヨがアーティストではない
(最低ゲス人間がそのゲスから金を巻き上げる
信者ビジネスも自己責任として笑えるが残念ながら
騙せるのは信者だけ)


ドイツ人が几帳面で・・・という印象も
見事に破壊された

古いアパートの室内とか色調とか
良く再現してるし


倒叙法で彼が密告者だったと最初に描くのは
悪くないが・・・・
過去との交差で時代を行き来するが
はっきり言ってセピア色の映像画面以外
グンダーマンを演じた俳優が若返りしてたり
老け役(と言っても40歳位)になっても
区別が付き難い。
ベタ過ぎるが年代を入れて分りやすくして欲しかった



炭鉱労働者としての二足の草鞋
ショベル車オペレーター(運転手)
非効率すぎるDDRの炭鉱

THE CAPTAIN
ヘロルト大尉に合流した脱走兵仲間の
伍長?だったかグンダーマンの同僚役で
それ以外はドイツの映画で見かける人はいなかった。