映画レビュー ハミングバードプロジェクト

☆1216

原題<THE HUMMINGBIRD PROJECT >
邦題「 ハミングバードプロジェクト  」2018

ヴィニー(ヴィンセントザレスキ ロシア系の設定)
ジェシーアイゼンバーグ
アントン 天才
エヴァ トレス 元上司の女性 
アーミッシュ
GOD LAND 
30m以下の地下は誰のモノでもない
深深度地下

マーク<ミドルマン>揉め事をさばく達人

0.001秒 ハミングバードの羽ばたき一回
11ms 
カンザスデータセンター

20011年テロ後なのでNYC内の至る所に州兵がいる

NY(NJ)⇔KAを0.16秒の通信速度にする為に
1600キロを何があろうと1直線で地下トンネルで
光ケーブルで結ぶ計画、結末を先に書くと元上司達が
その計画を潰す為に<パルス波形整形>で電波(塔)を
建て0.11秒で優る速度で結んで最終的に計画は失敗する
しかもヴィニーは胃癌が恐らくステージ3か4まで進行していた
日本で1600キロなら福岡仙台間が大まかなイメージ

映画の作風ではなく内容で驚くのはサクセスを好むアメリカが
失敗を描く上に、最終的に文無し状態になりかねないほどの負債
そして間接的に<経済至上主義の過ち>も描く


「失礼な態度でお話したと思います」
「皆さんに刺激的な生活を(電線がないのに)」
「我々には興味ない」23万ドルをお支払いするつもり
「我々は神に従い素朴に生きる」
「超高速など求めないし金は争いを生む」
「無駄」
「皆さんの暮らしを向上させ繁栄をもたらします」
「速さが良い事とは思わない」
「新しい技術により人は疎遠になり孤立する
だから我々の土地の下に丁こそクケーブルなど望まない」
「共通利点はないここは主の地であり我々は主の為に大切に
管理してる」

アーミッシュ
アーミッシュが出てくることから分るように
経済的なことも描くが<宗教感>も描き、白人の主流プロテスタントとの
対比的な価値観も描く(アメリカの政治ポリシーや人権経済など
意識的無意識にキリスト教の原理が背景にあるのも少なくない)


ジンバブエのレモン農家の取り分は?
<重要じゃなく考慮されない農民になりたくない>
認識論的な問題


0.17秒を0.16秒に短縮するのはプログラムではなく
再生器の数を減らすという超絶裏技で凌ぐ
映画は時間を圧縮縮してるから直に解決策が出るが
凡人なら思いつかない
ガッツポーズした直その後にエヴァの陰謀でFBI
証券取引法違反逮捕されるコメディーライクな流れ


<上昇クソ> ポジティブシット

天才の娘も天才

H53ヘリを民間航空会社が輸送用に使うほどアメリカはデカイ
自衛隊はコスト負担に耐えられず手放すほど
(推計の@1hフライトコストが50万円~100万円で
チャーターしたらその2~3倍は費用を請求される)

工事は固い岩盤でドリルが壊れたり、元上司の妨害工作
作業員を奪われたり<計画は計画段階では上手く進み
実行段階では遅れる法則>にはまり当然資金も不足し
投資家がせっついたり資金をでかい態度で求めたり
数々のトラブルに見舞われる、アメリカ人労働者の価値観は
<会社にしがみつくより自分の才能を高く買ってくれる方を
選ぶ>日本企業は<才能を安く買おうとする割に愛社精神
長時間拘束転勤などの忠誠心など遥かに多くを求めてくる>

失敗はしたがこういうチャレンジ精神があるのが
アメリカ人 技術者 投資家
これがアメリカの成長に貢献しそこは敬意を払う
技術的に可能不可能ではなく<ビジネスチャンスを見つける>
<独立>など日本の会社員には殆ど不可能に近い
そのアメリカ人のパワーには圧倒される、
リスクがあっても成功したら莫大な利益を得られるチャンス
と全てを失う覚悟でもやる(人もいるけどしない人もいる)
これが仮に日本人が国内で技術力と資金の目途があるからと
挑戦する人はいたのか?(スケールを日本に縮尺しても)
この場合もそうだが<アイデアマン>と<投資家>など
色んな組合せが必要で恐らく日本でやろうとしても投資家が出ないと思える、
この作品は技術的(工事など)挑戦がメインだがアメリカIT企業勃興も
企業家(創始者発案者)と投資家がセットで回ってる映画は省略してるが
実際は他にも投資家はいるたった一人の投資家が全ての資金を賄えない、
テクノロジー面で言えばコロナワクチンや治療薬を
日本企業が開発できないのも日本の悪いところが全て祟った結果で
そもそも論で書けば学校などの教育投資から始まり企業においても
研究開発投資だけでなく<従業員教育>への投資も先進国最低レベルの
支出しかやってなくて結果が出せたらそれは奇跡
政府や企業(と役立たずの口先だけの経済専門家)の多くが”雇用政策”が
大問題で<速攻解雇できないから経済発展できない><非正規社員
増やさないと企業は成長できない><学校教育が企業即戦力に対応してない>
等々で自分達の努力欠如を棚上げし一時的に人件費を削減してもその利益は
内部留保に向け研究投資や設備投資などには振り向けない・・・・・・・
没落する原因の1つは当の<間違えてる経済専門家を永久に重用する>
<経営者が無能>など別に有る、<ヒット商品>を紹介するにしても
<ネーミング><パッケージ><予めカットする>など新規商品を
開発して売上を伸ばすのではなく今ある商品の改良型で進化してない事を
奇跡と絶賛するレベル(身近な例で言えばポテトチップス等の
フレバーを変えて新商品・限定品を頻繁に入替えるがジャガイモ農家を
廃業させるほどのサツマイモを利用した大ヒット商品などは開発できない)

あくまでも比喩だがアメリカ人は基本的にそういう挑戦を
する事が<DNA>として尊ばれる

その目的が<お金>だろうが利便性だろうが
挑戦者や資本家を批判するのはお門違い(搾取は別問題)

それでいて映画のメッセージは経済至上主義
新自由主義の過ちを批判してる部分もあるが
搾取される側からの批判ではなく、アーミッシュを通して
過剰に邁進するのを批判してる
(技術競争をメインに描くのであれば元上司たちとの
対立を描く方法もあった)


伏線もしっかり仕込んでる

アントンの変人ぶりも笑えるが得てして天才の一部は
常識的行動と判断をしないから天才的な発明などをする、
その常識ハズレを許容しない日本がこれから経済的に
どういう道筋を辿るかはよほど鈍い人でない限り分る。

PS
映画撮影上映配信を投資&ビジネスと捕らえると
アメリカ映画のフィルム会社配給会社の流れ
(吸収合併やA24やそれ以外の成長)や
出演俳優の新規育成(ヒット俳優)等も
日本とは桁違いに成長し続けシステム化されたり
この点においても日本がガラパゴス化し埋没衰退

既に韓国映画に敗北してしまった