映画 Review 万引き家族 ショップリフター

 

☆1250
原題<万引き家族 >2018年フジテレビ ポニーキャニオン
ポニーキャニオンフジサンケイグループ

 

是枝監督


英題
SHOPLIFTERS

LIFTの原意は「持ち上げる」スラングになって盗むつまり店から盗むので
万引き+ERで 万引きする人

日本の貧困層の実像を正確に描いてる
(そういう存在がある事、万引きをしてる事ではない)

スーパーの万引きはサーベイランスカメラで見張られてるから
実際は難しいと思えるが・・

やや暗いことばかりの映画で勤務先のクリーニング工場で
<どっちにも似てない整形?>
<風俗で働いていた過去を隠してる>とか
<おたふくかぜに感染した>

治が怪我して抱え込まれた時に
上司神保が亜季の事を「可愛いですね」と言ったら
治は「ばあちゃん?/初枝」と聞き返す
NO絶対ない

これらは笑える
物語がダークだからこういう笑いが実は
余計に悲惨さとの山と谷のギャップになるから
シリアス映画に1~2回笑えるシーンを入れるのは
構成上必要(良い映画には)

 

親から虐待されていても子供が「転んだ」と嘘をつくのが泣かせる
転倒するとき普通は<手を付く>から手の平をすりむく事が多いのに
腕とか違う場所の怪我も転んだと言い張る(幼児にそんな知能が無いから)
稀に顔面を打ち付ける人もいるだろうが。
ママが火傷を負わせた?と聞いても母親を庇う


後半で海辺に行くのは物語上<最後の幸せ>で後は
どん底へ転落する前にヤマ場に持ち上げておくと落ちたときの落差が出る
もっともその時の水着すら<5本指の割引>
邦画の割にこの手の展開のアップダウンも上手い
欧米メジャーは一般的な手法だが邦画では少ない

営利誘拐罪には問われないだろうが誘拐になりかねい、
だいたい2ヶ月以上も捜索願を出さず、病院で検査した時に
(犯罪被害者の女児を病院で診察しない事は有得ない)虐待の跡が
見られる女児を元の家庭に戻すなど若干ストーリー上は怪しい流れが
ない事も無いが映画であって1つ2つの疑問点はスルーしないと
映画は成り立たない

日本社会の真実現実をリアルに描きすぎた為にナショナリスト
ゲロをしてディスってる、映画のテーマなども良いが
<伏線><サスペンス的展開><謎の種明かし>と
構成も優れてる、これに気づかず貶すのは惜しい
(英名作ビリーエリオットへのオマージュに気付かないのも
是枝監督はケンローチを尊敬してると公言している、
もっとも早送り等してたら省略し見てないはず)

誰一人本当の血縁関係はない
もっとも夫婦に6親等以内血縁関係が有るほうがヤバイ
そして<血が繋がらなくても互いに信頼し一緒にいれば家族>という
自民党議員や統一教会日本会議構成員なら幾らお金を積まれても
認めたくないような価値観も示されてるので、そういう古臭い時代遅れの
現実を見ない差別主義者には耐えられないこと間違いなし
(日本でも再婚家庭はかなり増えてきてる)
もっとも一部の議員達は票を積まれたら主義信条を
速攻で修正したりMr.甘利なんか金を積まれたらこっそり
ポケットに入れて発覚したら急病入院して逃亡するレベルだった

やまとや のオヤジ榎本明は万引きに気付いていた
(このシーンの解釈は決して裕福ではないこのオヤジが
貧しいと思える少年を排除せず”支援”してる事に為る)

祥太が<麩>を万引きするのが”義理の妹”ゆりの為とか
なんだか複雑な気持ちになるシーンも多い

ばあちゃんは亜季には優しい
童貞殺し=ウヨ殺し(ウヨ死んじゃった♪ウヨ死んじゃった♪)
横乳 フィティフィフティ

月命日=巧妙なブラックメールの日
だから亜季には優しかった

釣具店の防犯装置潜り


妻 信代

亜季の勤めてるような<フーゾク>店があるとは知らなかった
ちなみにキモブタ:ヘンタイのヘンタイは
そのまま英語になって英語でも通用する
過労死と同じ日本の恥(過労死も英語でそのままKAROSHI、
NHKは英語版BBCが日本の事を取り上げたら誇らしげに
放送するが過労死をBBCが掲載した事は放送して無いと思う)


祥太は<ゆり>の存在を当初気に入らない

スイミーとマグロ

TVでゆりがじゅりが捜索願で報道される
髪を切って誤魔化す

ゆりは家に帰ると言わなかった(ここ大事)
もっとも犯罪の構成要件としては関係ない
情状酌量では関係あっても。

どこで繋がってんだ?
「お金普通は」

台詞もけっこう凄い

クリーニング工場でリストラする時に
どっちかを選ぶ時に<ゆり>と一緒にいる時を
見られてるのである種のディールで信代が辞める

長女亜季は<オーストラリア留学>という
虚偽報告を家族はする
略奪婚した結果の息子夫婦(全く関係ない相手)
この夫婦は恐らく経済的には裕福だが
亜季が家出同然だったり自民党
統一教会が望むような幸せな家庭ではない


ばあちゃんは多分天国には行けないが
あの世に行ってしまい<葬式する金がないので埋める>

あの時とは随分違う
<伏線>


祥太とゆりが<ファミリービジネス>をするとき
ゆりについて来るなと言っても付いてきた上に
<初めての万引き>で失敗しそうになり
祥太が<囮>になって
万引きして逃げて結局逃げ道を閉ざされ
下に落ちる(デジタル処理で違う場所)

入院して偽家族が発覚するので逃げようとして
捕まる・・・・・・

信代が全ての罪を被る
(幾つかの会話で以前も人を
埋めていてこれが2回目だった)

警察の取調べで明かされる

亜季のその後だけが不明
家に戻ったとは思えない

祥太は保護施設
最後に信代に面会し発見当時の情報を教えられる
その帰り道に治のアパートでカップ麺を食べ
本当は帰る必要が有るのに泊まって行き
バスで帰る祥太を走って追いかける

じゅりは一応親元に戻るが結局は・・・・
(ビール瓶の空きケースの上から身を乗り出すとこで
最後の最後になるが、そこから転落する事故も多い
つまりじゅりが一応血縁上の家族の元に戻っても
決して安全配慮に行き届いた生活を送る保証が
ない事も描いてる、もっとも万引き家族と一緒にいても
学校に行けないとかそれはそれで問題)

本当に血の繋がった家族は<婆さん><孫>だけで
(夫婦が基本的には血縁関係にない事を除いても)
同居してる家族が実は血は繋がってなかったが
犯罪を犯さなかったら貧しいながらもそれなりに
ある程度の温かい家族だったそのギャップ

恐らく万引きや殺人そして遺体を火葬埋葬せずに
埋めて隠したことで表層的な脊髄反射
日本にはこんな家庭はない!!と否定したいだろうが
貧困だったり血縁関係が無くても価値観を共有したり
一緒に過ごす事で何気ない日常の中にある幸せの
大切さも描いてると思える
(裕福でも”皆それぞれに”fromアンナカレーニナ
という家庭もある、裕福=幸福とは限らない
もっとも貧乏が幸福とも思えないが )


万引き家族が実在するかは知らないが
<”みなそれぞれ”系の家庭><貧困家庭>は
日本中幾らでもあるし今後は相対的に増加する
独身世帯が家庭に含まれないと思うが独身世帯を含めた
貧困層は今後の日本で絶対数相対数が増加する事はあっても
減少する事はない、都合の悪い事を認めないから
当然改善する事も有得ない悪循環ではなく
<奈落の底に落下するだけ>のダークな未来が待ってる
人口減少×経済衰退×競争力低下×自意識過剰の傲慢=
没落この道を真っ直ぐ前へ