映画レビュー IDIE


☆1150

原題<EDIE >        
邦題「 イーディ、83歳はじめての山登り  」2017

KEVIN GUTHRIEはスコットランド映画
「SUNSHINE ON LEITH」脇役から主演俳優に。

カレドニアンスリーパー スタンダードクラス (B寝台)
英国で2系統しか残ってない寝台列車約29,000円
EUSTON 15:38発 INVERNESS 07:53着
インバーネスは怪奇が好きな人には
堪らない元祖<ネス湖/ネッシー>の最寄り駅。

エディの父親から貰った絵葉書の場所
フィッシュ&チップスの店で<ユージュアル>を
頼み追加オーダーを尋ねオーナーは答える
(IT'S)「 NEVER TOO LATE FOR YOU EDIE」
何がこの映画の主題かといえば登山に注目されがちだが
オーナーの返事<何も遅すぎる事はないさ>
もちろんダブルミーニングで追加注文と人生に関し

その言葉にインスパイヤーされスイルベーン山に
行き損ねた過去の束縛を断ち切るために一人旅を開始
しかし下車した途端にスコットランドの馬鹿者若者に
激突され転倒(当り前だがスタントダブルで別人)
駅を出てもバスがいないのを
我慢して待つがジョニーが謝罪を兼ね送る
目的地のホテルに一日前に到着した上に
どこの宿泊施設も満室で止まる場所がないので
ジョニーの汚い部屋に泊まらざるを得ない
そこへ<悪友3人>が臭い屁で叩き起した上に
飲みに連れて行き戻ってきて1Fで雑魚寝
そこを”乗り越え”出て行くイーディー
トレインスポッティングへオマージュで同一と気付けてれば
映画通だがヤフーレビューは見当違いの解説が好評だから無理、
TSはイギリスではなくスコットランドが舞台で
閉塞感なども同じように描いてる)

1度はキャンセルしようとした登山に
挑戦する為に<寂れた>キャンプ用品店に
行ったらその店員がジョニーだった

壊れかけたザックのバックルを買おうとしたが
無い上に、ストーブのガスも買おうとしたが
別の店員に騙されコーチ代やガイド代も
ぼったくる、その上にウェアなども買うので一応儲ける

ハイランド地方の景色は確かに美しい
しかし実際に働いて子供を育てるのには向いてるとは思えない

ヒキガエル優先 

プライドが高く<NO>といいがちのイーディ
しかし長靴の汚れを落とす為に川で洗ってた
彼もドジで靴を川に落とし拾おうとしたら
細工が上手くいき橋が壊れ川にドボンと彼も決して
プロではない事が示されてる
(ただし彼は悪人ではない)

ハイランド地方が元々寂れてる地帯だが
加速度的に衰退していってる実態も描写してる
(あの漁師町の雰囲気、経済発展とは無縁)


ハイランド地方
Mount Suilven
731m(2,389ft)
Cairn marks

レーニングと称しキャンプの練習や
ボートの練習をするが実際はジョニーは上手くない。

イーディーとジョニーが一緒に飲みに行くと
周囲が囃し立てるなど田舎の閉塞感。
ジョニーの友人兼同僚もそこに来て
一緒に飲んで強引にダンスさせ転倒させ気を失う
(駅でも転倒させ、登山中にも倒れ合計3回)
医師の往診では疲れただけで問題ないが
イディはキャンセルしロンドンへ戻ると
送ってもらうときにジョニーと言い争いになり
ジョニーは自転車と彼女を残して走り去り
前方で待機し彼女が来るのを待っていた。

「最初は金目当てだった嫌な婆さんとも思った、
だけど楽しい人だったこの挑戦は凄い事」

仲直りをし再挑戦する、2人で行く事を
拒絶し独りだけで行く、途中ボートを
海に出す時にハイクをしていた女性が
偶然通りかかり補助するがそれにも
ケチをつけるイーディ。
(しかも途中で止まる時はオールを上げる基本を破り
オールを流し寝込んだ時に偶然スイルベーン側に
漂着するというご都合主義)


<夜明け前出発日没前作業終了>の基本すら
守れないド素人だから当然失敗し
強風と雨でテントを飛ばされ疲労困憊し
倒れる、眼を覚まし灯りがあったので
そこに入ると猟師小屋で
「男は黙って粥を差し出し、拾ってきてくれたザックと
濡れた衣服を乾かしてた」

 

<解放><自由>結婚指輪も外し<過去の決別>


ロンドン郊外
夫の死後 高齢者施設へ押し込められそうになるが
気に入らず結局は自宅へ戻る

イングランドVSスコットランド
高慢なイギリス人

父親からのポストカードでの登山の誘い
夫ジョージは反対拒絶、ケンカになって
ジョージが血栓で麻痺状態で介護が必要になり
父親も死去し行けなかった。


<何事も遅すぎる事はないさ>
しかしイーディーが単独登頂できず
ジョニーのサポートがなければ実現できず
<独りでは達成できない>という事も示す。
イーディを<大英帝国>の象徴と解釈すれば
<何事も遅すぎる事はない、ある程度の
目標達成は出来るただし他国の助けが
必要で孤立主義は禁物>とも受取れる。
ガサツなスコットランド人も実はいい奴で親切だとも。
この映画をスコットランドとイギリスの2つの国の
物語りと解釈するのは私だけか?

ワイルドチャイルド

スコットランドの衰退閉塞感
そして自然の美しさ
ラスト山頂の絶景は特筆に価する