BOOK レビュー

 

☆IA


ドローン情報戦 アメリカ特殊部隊の無人機戦略最前線
Drone warrior /An elite soldier's inside account of the hunt for
America's most dangerous enemies
クリストファースチュアート
ブレッド ヴァリコビッチ
原書房


9.11にショックを受け大学中退し直に陸軍へ志願した
男性が執筆した本。

成績が良かったので<配属先選び放題>で
情報分析官コースを選択し(米軍の場合は自衛隊と違い
卒業時に選ぶのではない)、基礎訓練後にその学校に
通ったが60人中で40人程度しか残れなかったそうだ
(これも米軍方式で数々の試験をクリアしないと
スリーストライクアウトで下のMOSを選ばされる、
辞められないのも米軍型の契約社会)

ドローンを飛ばしたりセンサーオペレーターでもなく
それが集めた情報を分析していく任務で、必要な
情報を得るためにパイロットに指示をしてどこに飛ばす
どのように飛ばすか決定する。

機密事項として具体的詳細は明かさないが
どうやって特定の個人を追跡開始するか説明してる
(犯人が分らない事件から犯人を見つけるのに似てる、
それを説明してる、ドローンで!!)
もちろん具体的に特定のHVIがいてそれを
探す任務もある(当然だがそういうテロリストの
リーダーが登録した携帯電話で通話し定住し決まった自宅から
決まった勤務先との往復なんかしない)


2010年ごろはドローンが活用されだしたが
米軍さえドローンが不足していて満足に飛ばせなかったそうだ
(レイブンやスキャンイーグルなど戦術程度の見張りではなく
大型ドローンによるISR)

そしてスカウトされデルタチームのサポートメンバーとして
チームと同一行動を取ったりデルタに指示して
あそこに容疑者がいるから出動!!みたいな情報を
提供する流れなどを説明してる。
(その40人中からさらに3人が特殊部隊支援に
選ばれてる、知能面だけではなくもちろん体力面や
心理面そして機密保持など様々な適性があるほど
優秀だった)

ビンラディンなど初めから逮捕拘束を目的としない
作戦もあるが、基本的に逮捕拘束を狙い殺害リストに
載るほどの上位メンバーでも<ヘルファイアーミサイル>で
片付けるほうがデルタを危険に晒さないので、そのバランスの
取り方(都市部で付随被害が発生する場合はミサイルを撃てない)
その手の説明が参考になった。


情報部門(諜報部門)の運用が明かされてる貴重な本で
ドローンの運用も説明されてる(ただし彼は飛ばすのではなく
恐らく下士官程度のはずがパイロット/士官に指示を出せる地位で
デルタにも提案を出来る/そのリーダーは大尉クラス)

今月号の<軍事研究>で安倍が日本にもアメリカCIAみたいな
情報組織をを創設しろと言ったからそうすべきと述べてる人がいた、
しかしNSCがあってもコロナ危機には対応しなかったし、
北朝鮮弾道ミサイル実験施設を北朝鮮が破壊しようとしてるのを
河野防衛大臣は再稼動と発表するレベルの日本の判断力、
しかもありえもしない第2時朝鮮戦争を煽るだけ煽る程度だから
日本には情報収集力がないのではなく<分析判断力>がないから
創設するだけ無駄、CIAすらないはずのイラク大量破壊兵器
勝手に想像の産物で存在させるほどの情報分析力だった、
コロナの発生も武漢で気付いていたのに対処しなかった。

安倍得意の○○がないから××が出来ないという
成績が悪い生徒の言い訳にしか過ぎない
(コロナで憲法改正どかどさくさ紛れの域を出ない)