スターリンの埋葬競争恐騒曲

☆1021
原題< THE DETH OF STALIN  >
邦題「 スターリンの埋葬狂騒曲 」2017仏GAUMONT

1.側近達との夕食
2.スターリンの死
3.狂気のイス獲りゲーム
4.厳粛な国葬
5.仕掛けあう罠
6.作戦決行
7.絶対権力のイスに座るのは?


スターリン
マレンコフ議長 コルセット男
フルシチョフ党委員会第一書記
ベリヤ(最後には本人も粛清される)
NKVD警備隊長
モロトフ
カガーノヴィチ労働大臣
ミヤコン貿易大臣
ブリガーニン国防大
ジューコフ元帥
ノモンハン帝国陸軍を叩きのめした上に
WW2でナチスを叩きのめし戦死者数だけでいえば
ナチスを倒したのはアメリカではなくソ連
もっとも冬将軍が銃弾代わり。
(外国の軍事研究家はノモンハン
インパール失敗の責任がトップレベルに
及ばなかったのが理解できないそうだ)

「Le Concert」でもロシアをコケにする
描写が多々あったがそれ以上に旧ソ連を嘲笑
ブラックジョークを笑えなくても
ユーモアセンスに欠けるのみで心配ない。

NKVD、FSBつまりKGBの前身の逮捕の
様子と指揮者を迎えに来た深夜のノックは強烈
KGBジョークがネタ)
ソ連の歴史もだが雑学ネタを知ってれば
なお更爆笑の連続でそれ以外にも
<トマト><飲酒>とか凝っている

ECのキャスティング紹介で写真から人物が消える
似非トリックが凄まじいブラックジョーク
で歴史的には権力闘争の悲劇だがそれをネタに
変換するフランスも凄い。
(評論家レビューでも言及出来てない
 ECは強烈な皮肉なのに理解解説不能か?)

安倍総理が死んだら道路が陥没するほど大量の
参列者が来る事間違いなし、弔問客と本当に死んだか
確認に来た人の区別は誰にも出来ない上に、本当に悲しんでるか
その人の内面までは幾らAIが進化しても測定不能

スターリンの家族は不幸だったとか
(長男ワシーリはアルホリでもあの時既に中将、
長女のスヴェトラーナも愛情を注がれない)
倒れた後に衛兵がドアを開けなかった側近達が
医者を呼ばなかった等々ネタはほぼ事実に沿ってる
歴史的には正確ではない描写も含まれるが解釈や演出上として
フィクションとしてる部分もコメディなので許容範囲内、
事実をどう受け止めるか演出するかは監督の権限
原作本は歴史書学術書並みに真面目なのを
脚本家がコメディーに変えたと思う。

権力継承争い権力集中がもたらす弊害
周囲は資質や能力ではなくリンゴ磨きが集まるのも
古代から現在に至るまで共通。

直接関係ないがアメリカが敵の先制核攻撃で
大統領死亡を仮定し指揮命令系統が機能するか
シュミューションしたら悲惨だったのがSDI計画
スターウォーズ構想)になり
今のミサイル防衛システムに連なってる。

<遅延は記録した>
この<記録>といワードほど怖いものはない。

高官達の会話も緊迫感がなく上級国民様と思えない
医師団が回復しないと診断したのに
一時的に目覚める(意思疎通は出来ず)
医師団がヤブ医者しか生存してなかったので
それを見越せなかった。

拷問(尋問)と拳銃で射殺されたのは
誰だったのだ?顔を見せない
(想像させる為なら演出も上手い)

権力者が腐敗しまくっていた(贅沢やセックス)
別荘の警護や使用人が証人となるので
予防措置を取られるのも恐ろしい

モロトフの妻ポリーナを銃殺せず匿い釈放してるのを知らず
フルシチョフと「裏切り者」とか罵倒してる時に
本人が戻ってくるのは爆笑(本当は酷い事)

スターリンの死後に死刑を停止し
死刑囚がスターリン万歳といって
将校が答えて僅差で死刑を免れた人

息子が父親を密告父親が帰還、家族が密告するのも
奨励されていた隣人を信用するのはよほどの能天気。

葬儀
スターリンが子供と一緒に写真を
撮ったので自分も同じ少女をと命令
(成長したのを考慮しない程に愚か)

「意見が変わると銃殺刑」
(間違っていても銃殺刑)
(反論しても銃殺刑)


葬儀に殺到した市民を1500人虐殺する
その責任の擦り付け合い

スターリンの長女長男が庇護者がいなくなった
現実に気付いてないくらい暢気。
ベリヤが<ミイラ取りがミイラ><策士策に溺れる>
<ブーメラン>無能な政治家ほど実力行使権力権限で強行し、
説得や交渉論理的説明等一定レベルの能力を必要とされる
資質を用いてない(持ってないから)

煙草+ガソリンは着火しないらしい映画は燃えるけど。

コンサート(モーツアルトK488)で始まり
コンサート(ショパンNO4)で終わる

権力を継承して
この時は失脚しなかった者も
後々には失脚させられたのは皮肉。

酷い事を陰惨に描くのも手法の一つだが
笑い飛ばすのももう1つの方法、それには
批判や警鐘が込められるのが普通。

出演者が超大物というより脇役レベルで
良く言って準主役レベルで小物感=
実在した人物も能力資質的には小物と思える。

ウクライナ モスクワでロケ
ロシア語フランス語でないので逆に感謝