レヴュー /シンク オア スイム

 

フランス映画だけにさっパリ分らん

☆1112
原題< LE GRAND BAIN >        
邦題「  シンク オア スイム SINK OR SWIM    」2018
STUDIOCANAL 
TFI

原題:大きなバス 英題=邦題
01.虚無の日々
02.入部
03.前座
04.失うもの
05.無謀な挑戦
06.コーチ抗体
07.土台役
08.心を1つに
09.本番直前
10.俺たちの夢

ジャンリュック/MATHIEU AMALRIC
彼を筆頭にけっこう大物俳優が多数

鬱病歴2年で何も出来ないしかし妻は夫を愛してる
店を経営し社会的にはまあまあの義兄家庭は
表面だけで実際は・・・


中年のダメ男たちの再生の物語
中年ダメオヤジに捧げる映画
夫婦愛家族愛

それぞれの家族本人 仕事での
トラブルなどが後から後から明かされそれらを
乗り越える物語(この側面が強い)
崩壊した家庭も修復
普通に考えたら何かで優勝したからそれ以外の
プライベートが万事解決とはならないが
自信をつけたのは事実
優勝→自信と誇りを取り戻す


コーチの女性2人の過去の確執の解決
シンクロもまあまあ(彼らは俳優)

シャルウィダンンスをシンクロに変えたフランス映画
英作品との比較は英作品中で

マチューアマルリック出演作は難解さがトレンドでそこが面白い
(コメディーなのに)
ダメ男を演じさせても似合うオープニングの○と□の意味が
やっとで分かったフランスの芸術性というか捻りが効いてる
単純にしようと思えば出来るのに。

プールの管理人は友達がいない不幸な男なんだ
プールと自宅を往復するだけあのブサメンと寝てくれと頼むアホ社長
そのティティがそうなった原因は継父が家庭内暴力をしていたから
それが悪い事だとも分からないティティ


女性コーチ/デルフィーヌは
シンクロ選手の時にペアが事故で
シンクロが出来なくなり選手生命を絶たれアルホリ
(彼女の再起の物語でもある)
不倫だけではなくストーカーまでしていた

馬鹿社長役のコメディアンも笑える

製鉄所の男が1番男らしさに囚われてる1番男らしい職業でもある
(製鉄所での1人練習が面白い、全く似合わない場所が逆にクール)

それぞれの仕事との関連

こういう馬鹿な<オヤジ>の映画はイギリス作品も笑える
アメリカ作品はダメな”男”全般で年齢は関係ない)

フランスの地方都市が衰退疲弊してる事も浮き彫り

女性コーチが当初は全くやる気無しで
途中参加の車椅子アマンダの鬼コーチが笑える

レッスンのはずがコーチは詩を読むだけ
製鉄所の所長は怒りをぶちまけるだけ
家庭でもそれで美人妻に出て行かれる
所長の母親が精神疾患でそれを快く思ってない
(しかし最後は自分が引き取り世話をする)

それぞれが悩みを抱えてる
プール経営が上手く行かない社長
(社用車を放火したら保険を切っていて燃え損)

全く売れないミュージシャンは娘にも嫌われてる
(客の反応が悪いのは客が正しいという娘の指摘が正しい)

シンクロ練習後のカフェでの一杯が目的?

衣装をそろえるためにキツネ作戦を実行するが
馬鹿な奴等だから見事に失敗しお買上げした上、
帰るときに慌てて事故を起す、帰り道の車内で
会話していて最後にカメラが引いたらトレーラーの上
(ストーリー展開と無関係な演出でこの手の遊びは欧州作品の特権)

ストレス管理が苦手な介護師

良い人間ほど苦労してる出演者は悪人ではなく不器用すぎなだけ

手錠と革のビキニでオシッコかけられ喜ぶ義兄SMの館になるのを認めるか
何をしても誇りに思ってる隠す必要もない相手を批判しない
(こういう辛辣な会話はアメリカ映画のマネだと思う)

「1.2.3.4.5.6.7.8」が悪夢見てるほうが恥ずかしい
車椅子コーチが煩いからとプールに突き落とす
プールに突き落とした相手はスタントダブル(本人を映してない)
謝罪を受入れてくれるがサウナに2時間閉じ込められる仕返し
(ここが1番笑えた)ミストサウナなら2時間でも
何とかなるかも知れんが極度乾燥なら死にそう


所長が施設に母親の面会に行ったときの
介護師が入所者達は正直臭いと告白し
(こういう事は日本では言えないだろう)
息を止めると言ったから<土台>決定

ミュージシャンも若い音楽院時代は才能もあったが
・・・デビットボウイではない

ノルウェーに向かうキャンピングカーで
全員乗車して黙れ<シメに行くぞ>と
車椅子コーチが言ったら「動けないのに?」
こういうジョークをいえる
障害者をネタにする事も差別でないから笑える

BGM全般特に大会中のが良かった
NORチームのJessie J - Dominoが最高

「傷つけたくなくて黙ってたけど」女の残酷さ

帰国後に新聞には一行も掲載されてない

何故か窓枠をカメラのフレームに見立ててるシーンが多い
オッサンでもフランス人のオッサンは何故かカッコイイ
(映画の上では)

ジェンダーギャップ・男女平等に関しては
日本と比較し圧倒的上位にランクされる
フランスといえどシンクロは女性的イメージで
出場者が欧州ですら見下されてる事が分る
そしてそれを跳ね返した映画でもある。