映画レビュー MURU 

 

 

☆1360
原題<MURU>
邦題「  ザ・フォーギブン     」2022 NZ

MURUはマウリ語マウリ文化で
<補償><修復>の意味
フォーギブンは<赦し>で若干意味が違う
2007年10月15日~16日にNZで発生した実在の事件を
インスパイヤー>した作品で実際の事件とはかなり異なる
タメイティを拘束逮捕したのは事実だが実際に逮捕された人数は18人
作戦が実行された場所は4箇所でそれぞれかなり場所が離れてる
(当然現場指揮官は4人いて統括指揮官がさらに上にいた、局長みたいに
酒飲んでのんびり電話を待ってるのではなく)
結論から書くと最終的に有罪判決が確定したのは4人で全て
<銃器所持>のみを問われそれ以外は無罪どころか
<冤罪>で警察側が和解賠償に応じてる
(警察が集会を危険視したのは多分事実と思うが錯誤曲解偏見で
実際に政府転覆や暗殺までは本当に計画したかは疑問)
誤射も実在せずそもそも発砲すら起ってない
STGなどの特別部隊が出動するから凶悪事件で
銃器犯罪だから発砲を伴うとは限らない)

 

タフィ 父親の介護をする地域警察官男性
(イギリス系の警察制度は日本とかなり異なる日本型警察が世界標準でもない)

ラスティ 問題児だが決して悪人ではない、しかし家族仲が悪いからと
     グレて良いという事も無い

ブレイク ラスティのおばで同じく地域警察官

ハラタ ラスティの母親

ギャラガー 隊長

映画上の描写でも分るが<令状無き盗聴監視>でこの時点で警察は暴走してた
(違法収集した証拠は裁判で証拠にならない、ここでは起ってないが
拷問による自白や不法侵入して入手した帳簿みたいな
物証が証拠にならないのと同じ)
現に裁判時では幾つかは不法な経緯による証拠として
採用されなかった(よって起訴に足る理由もなく殆どが無罪)
登場人物削減で人数を絞る為におかしな場面が出てくるのは仕方ないが


NZ警察STG(SPECIAL TACTICS GROUP)特別戦術部隊が
何故かニュージーランド映画では頻出してる
ニュージーランドに限らずこの手の特別部隊は例えば
親権トラブルによる実子の連れ去りや銃器所持容疑など
<周辺や警察官への危険が予見される事案>で普通に出動する
アメリカのSWATみたいな特別部隊もこの程度で?と思われる
事件で普通に出動するので出動回数はかなり多い)


マウリ族の幼稚園バスを一斉逮捕時に長時間拘束放置したのが
問題になった(映画では小学校くらいになってる)
動員した警察官の人数が対象が多く地域が広い割に
少なかったのが原因
警察が行った不法な一斉バリケード(検問)も問題
憲法上の移動の自由等を制限してる、危険などを理由にするなら
代替措置や最低限の区域や時間にするなど事も求められる

どんな集団にも<ハト派><タカ派>が出てくる
どちらが正しいかは結果のみでしか判断出来ない
タカ派の暴走は失敗しても謝罪反省しないというのも共通してる

ダスティを中心とした家族関係を描写し過ぎでは?
彼らが悪人ではなかったというのは分るが
殆どフィクションに近いインスパイヤー作品だから
むしろ事件の中で家族を描くとか別の描き方があった
事件も家族親族もで盛り込まれ過ぎかつ事件経緯が
史実と異なるので面白に欠ける

誤解が誤解を生む互いに信頼しないとそうなる
STGキミオラが地域警察官ポウタカを誤射する
映画では警官が証拠隠滅を図ろうとするが
監察医が加担するとは思えない
(必ずしも警察所属ではない)


ストーリーは覚えてるが史実と乖離してるので
途中で思い出すのも止めてレビューも止めとく