映画レビュー ワンスフォーエバー

 

☆1203

原題<WE ware SOLDIERS>
邦題「ワンスフォーエーバー   」2001

01何が発端か?
02第7航空騎兵連隊
03家族のために祈る
04軍人であり父であるということ
05戦争ってなあに?
06誰も戦場に置去りにしない
071965年11月14日
08孤立した小隊
09着陸地点を奪われるな
10援軍は来ますね?
11今夜は行けん
12私が届ける
13父と子の聖霊の名において
14必ず勝てるぞ
15ブロークンアロー
16最期まで手首に
17夜明けの総攻撃
18皆に伝えろ
19戦友のために


原題は劇中の台詞
(本のタイトルだったか?)
当時を振り返り
そのまま中学生でも分る意味

参加部隊

第1騎兵師団第3旅団第7連隊
「第1大隊」 
「第2大隊」
第1騎兵師団第2旅団第5連隊
「第2大隊」
「第21砲兵連隊第1大隊」
F4ファントム&B52(陸軍ブロークンアロー時)
  VS
NV 第33連隊、第66連隊(合計5個大隊)

つまり3個騎兵大隊が投入されムーア中佐だけが
現地の大隊長レベル指揮官ではない。

アメリカ側は文字通り飛んで火にいる冬の虫状態で
敵情監視状況把握が不十分なために
(そもそも論で言えばベトナム戦争全体が
国家感・民族主義/共産主義拡大が北の目的ではなく
民族主義だったのにアメリカはソ連共産主義勢力と誤解・
戦略・戦術、南ベトナム側の腐敗・低支持率あらゆる
曲解誤認と楽観主義の錯誤だった)
敵連隊/旅団規模のど真ん中に降着した陸軍ヘリボーン部隊の
苦戦を描く。

確かこの作戦が史上初大規模ヘリボーン作戦だったのでは?
機動力は上回るが重装備でない為に味方の連携した支援や
補給も重要だが作戦計画が間違えていたから望むべくもない。
ベトナム戦争時に米軍の最新兵器とそれを用いた新戦術も
初めだけは効果はあるがNVは馬鹿じゃないから直に学習し
対抗策を生み出し効果が低下するの繰り返し、これは
タリバンみたいな優秀なゲリラにも共通していて最新兵器も
心理的効果以外はあまりない事が多くなった、ゲリラに
戦死者がどんなに多く出ても
”息子や孫の世代まで米が撤退するまで戦い抜く”で、
4年毎の選挙がない側の強みを有利に用いその通になった)

映画製作が2000年ならフィクションてんこ盛りで
厳密には史実とは違う事も多いが当時としては
仕方ない(意外と史実に沿ってる部分も多い)
この頃から極端に史実と乖離したフィクションの
多数の挿入がある作品は避けられる傾向になってきた、
演出上や構成上で仕方ない部分も許容範囲内。
ベトナム戦争時のドキュメンタリー・実戦映像も
多数あり幾つか見たがアフガニスタンとの比較で
映画も見た古い作品だったが実際にあった作戦のこの作品も見た、
戦場と家庭(ステート)の並行描写と対比によって
残された家族の事を描いてたから
当時のアメリカ国内の様子も垣間見えた。
(広大な軍敷地内という閉ざされた別世界とはいえ)

戦闘時のエピソード(誤爆等々は当人の
経験ではなくてもあの戦場で起った事)

映画で描かれてる知られてない史実は「ベトナム戦争時タクシー運転手が
戦死電報を配達してた」映画のラスト近くでも
描かれてたが配達ではなく帰宅のためにタクシーに乗り
自宅前で下車した時に<戦死の連絡が来た>と勘違いした
妻が気絶したというエピソードがベトナム戦時には
あったそうだ。
流石に評判が悪すぎてFLOや従軍牧師などによる今の
スタイルに変更。

負傷兵が帰国した時に熱烈歓迎されなかったのは事実だが
<制服を着た兵士が唾をかけられた>というのは
フェイクニュースでそれだけ一部には嫌われたという事
(今現在はアメリカ軍兵士への尊敬は桁違い、エンジェルフレイト
ANGEL FREIGHTに添乗する軍人が機体を降りる時は
拍手が自然に起ったりしてる)

PS
このベトナム戦争以降アメリカ軍は湾岸戦争を除き
旧来の<国家VS国家>の戦争という古典的戦争ではない
現代戦は実質的に敗北してる、裏庭にある”バナナ共和国”で
近所のクソガキを懲らしめるオヤジというスタイルを除いてだが
それは勝って当然の戦闘に過ぎない(そして形式上は国家対国家)

アメリカ陸軍が最近ヘリボーン部隊隊員の選抜試験(これを
パス後に資格取得コースに進める)の10日間の初日だけ
見せていた、292人がチャレンジして開始前に所持品チェックで
17名が欠品していて即失格、初日だけで彼らを含め101名が
失格若しくはドロップ(所定タイム内での完走か回数が未達)
この時点で65%しか残ってないからアメリカ軍の能力検定は
マニュアル式で温情なしの厳しさが分る(最終的に選抜では
半数程度しか残らないといっていた)

それとベトナムアフガニスタンを併記したついでに訂正
アフガニスタンイラク戦争時における西側航空機の
損失で撃墜(SD)と敵攻撃(HF)の区別が出来なかったが、
敵攻撃の中に撃墜を含めると損失合計数が一致しない謎が
解明される(そして正式な損失数は発表されておらず
リーク情報とISAF発表)