映画Review ジュディ

☆1298

原題<JUDY>
邦題「ジュディ」 2019年  PATHÉ 
BBC FILM / INGENIOUS / CALAMITY FILMS
(フランス イギリス アメリカ)

 

日本の平均的ブラック企業も真っ青なブラック体質で
少女時代のジュディーガーランドを拘束し食事制限だけでなく
睡眠時間まで削除され、挙句の果てには<偽バイタミン剤>
早い話が麻薬を摂取させられそれで得られた莫大な収益は
僅かしか配分されなかった

彼女が大人になっても大人に為りきれなかったのは
(自律・規律・協調性・自己管理等々の部分)
ある意味仕方ないと思えるほど

彼女が若い頃は現在の<大スター>が霞むほどの
超有名人(娯楽が映画かTVかラジオか何らかの趣味以外にない)で
晩年は不幸な最期だったことは知ってたが、鑑賞後に
ちょっと調べたらあの<ライザミネリ>の母親だったとか
知らない事ばかり、実際の境遇や出来事などは映画とは違う
部分も多く、少女時代(特にオズの魔法使い前後)と晩年の
ロンドン公演中心で並行描写それ自体は映画だから
監督の特権の範囲内(むしろ少女時代のレッスンと
ロンドン公演での大人になってからのその成果のステージは
見事と言うほかに言葉が見つからない)

周囲のスタッフは彼女がトラブルメーカーだったのだろうが
映画で見る限り(私には100%関係ない事だから)憎むに憎めない

同性愛者に全く差別偏見がなく岸田首相政策秘書官とは
別のページの上に存在してる事も描いてる
(楽屋口で待伏せした2人の同性愛者ファンと
交流したのは事実なのだろうか?)
この当時としては進歩的な考え方である意味彼女ほど
奔放でないと出来ないような社会だったと思う

ここ数年この作品やエルビスみたいに大成功して晩年は
落ちぶれた大物歌手等の映画が多い理由の1つは
<人間他人の不幸には十分耐えられる>
<他人の不幸は自分の幸福>という心理と真理があるから
社会や世界の出来事で怒り正義を振り翳すにしてもネットで
書込む行動限定が殆どで実質何もしないに等しいその程度

芸能界デビューしてもヒット成功せず誰からも忘れられ
貧困だが長生きした人と、ジュディーガーランドどっちが幸福?

メイヤー
MGM