賛成も自由だが愚かな根拠では逆効果

 

☆21世紀の戦争と平和


アマゾンプライムCMで三浦瑠璃が叩かれ嫌われた
理由に(松本人志の顔を見て和むとかリラックスする
奴がいたら精神鑑定した方がいいレベルの論外で書かない)
その著書で<日本での徴兵制の導入を主張した事>があげられていた。

国家が戦争をしなくする為には軍部の暴走よりも文民の暴走が
危険であり、それを防ぐ為には徴兵制で(強制的に集められた)市民の
生命が危険に晒されたら国民が反発するのでブレーキになるとの旨
だったと思う。

本の帯で<なぜ世界は徴兵制は進むのか>とSWEと仏が
徴兵制を復活させたとSWEはともかく仏のSNUに関しては
凄まじいミスリード、誤解、フェイクを振りまいてる事は
誰も気付いてない。

以前にも書いたがフランスマクロンが導入したのは
徴兵制ではなく1ヶ月間の<軍事教練>みたいなもので
軍事教練も言い過ぎで実際は集団行動メインの体力練成と
軍事や国家などの座学に過ぎない(国民皆奉仕と訳されるが
ボランティアでもないし、むしろ軍の負担になりトータルでは
マイナスになりかねない現に軍部からは不満が出た)
もちろん目的の1つに軍との親和性で志願者が増加する事が
あるだろうが中途半端な予算と規模での費用対効果は不明。
(SNUを知れば知るほど軍事徴兵でない事が分かる)

この時点で既にその主張が当初からピント外れになってるし
徴兵制を主張する為に出版するというより、今の日本の新保守主義傾向で
その潮流に徴兵制復活も含まれそれら<信者>への教科書的に新潮社が
販売してるに過ぎない(先に売れる内容がありそこに知名度がある
三浦瑠璃を指名してるだけ、私個人の見方だが)


巻末に多数の引用や参考資料が掲載されていたのだけは
感心するが(今のネオナチ系の出版物は根拠を示せと合唱する割りに
自分は決してそれらの根拠を示さず出しても”言論チャンネル””では
落胆と失笑)、日本のこの手の本の傾向が世界の潮流と全く異なり
殆どガラパゴス化してるのが<インタビュー>など伝を頼りそれらの
専門家や権威者や第一線の人物の意見を聞かないので、机上の空論となってる。


徴兵制にすれば戦争回避を政治家が努力するかと言えば
太平洋戦争で明らかなように
世論がイケイケドンドンとなれば全く関係ない
日本が大失敗しておいてその教訓を記憶喪失してる。
(他国だけが失敗し日本に該当する事例がないならともかく)


イスラエルは徴兵制で犠牲があるにも関わらず越境侵攻が
日常となってる(因みにイスラエル国防軍自衛隊
改名して欲しい国防軍とあっても実際は侵攻もしてる)
イスラエルに限らずロシアも徴兵者が東欧諸国に今も
攻め込まされてる、イスラエル軍公式見解としては
国を守る為には犠牲も止むを得ないなんだが・・・
(むしろ犠牲を払ってでも国を守る、そして国防の為なら
軍事侵攻も辞せずで日常的に越境攻撃を実際にやってる)

志願者で固められたアフガニスタンイラク戦争での
NATO加盟国も敗戦色が強まり犠牲が増えると
結局は撤退した(攻撃的侵攻ではなかったが
軍事行動には犠牲が付き物で志願兵ですら
犠牲が増えると撤退する)
一部はまだ残留してるが以前のような
危険なパトロールではない。


このように徴兵制にすれば危険度が減る
政治家は躊躇するという発想が既に妄想で
社会実験をすることなど不可能。
(残念ながらネット上はネオナチが増殖し
徴兵制復活がそれらに支持されてるので
本のレビューでは熱烈支持されていた、
しかしセットで疑問なのは、それほど
自衛隊員の増加を望むならそれら徴兵支持者が
志願応募すれば済む話で、私は志願したとは
誰も書いてないから余計にそのレビューの
信憑性も客観性も説得力もゼロ)
そしてベトナム戦争アメリカが徴兵廃止を決断したのは
<徴兵者>は志願者と比較したら戦意が低く役立たずだった。
(今のロシアの現役兵も徴兵者はあまりレベルは高くない、
特に危険な海外侵攻をしてる兵士の暴れん坊ぶりは酷い)

 

もっと残念な事は徴兵制賛成者が
日本は平和ボケしてるから徴兵に反対するとしていたが・・・
もはやWW1やWW2のような国家総力戦で数百名~数万人が
銃を持ち突撃して攻め込み守る戦闘は絶対にない。
(日清日露戦争時の艦隊決戦も99.9999%発生しない)

概ね自衛隊凄い自衛隊の武器凄いと唸ってる奴等が妄想想定する
戦闘形態がほぼWW2時の部隊同士が正面からぶつかる
関が原の合戦が場所と兵器が変わっただけを想像してるが、
現在の戦争は非正規戦がメインでまともな国家間の大規模戦争は
湾岸戦争イラク戦争のみ、それ以外で地球上の戦闘は99%は
非正規戦(とサイバー戦)で多くの兵士は後方要員で実際の
戦闘に従事する兵士は減ってる。
(後方要員の為に徴兵をするという選択はない事もないが)


数を確保するより質の確保がより問題で
実際の戦闘が残念ながら三浦瑠璃が想定してる
戦闘形態ではなくなってる(ついでにネオナチ達の
想像とも)、イラク中央アフリカでの非正規戦で
欧州部隊が行ってる事は自衛隊の想定とは全く異なり
自衛隊の装備ではボロ負けで犠牲のみしか生まれない
ベトナム戦争で戦車が殆ど役立たずだったのと同じ)

IEDには徴兵制ではなく地雷処理ロボットが必要
テロリストのISARには多数のドローンが必要
サイバー戦の為に多数のサイバー要員が必要
オンラインSNSで世論を味方につけるために
センスがある広報員が必要。

これらの4つは自衛隊には皆無と言っても言い過ぎではなく
(連隊に2個程度のクワッドドローンでは
”欲しい時に、欲しい場所で、必要なだけ”の鉄則から外れる)
自衛隊が想定する国家総力戦で戦えたら徴兵制があれば
有利かもしれないが、敵がかならずこちらの想定で闘ってくれる
保証はない。

サイバー戦で電力供給や通信社会インフラを停止されたら
こちらは手も足も出ないし、通商破壊を再度されたら
戦わずして餓死しかねない。