レビュー ギルティにはダブルミーニング

 

☆1140
原題<  DIE SKYLDIGE     >        
邦題「 ギルティ  」NORDSIK FILM 
DANSKE FILM 2017年
ノルウェーデンマーク

原題も<有罪>
1.緊急ダイヤル
2.イエスかノーか
3.白いワゴン
4.マチルデ
5.任務の範囲
6.相棒
7.家の様子
8.作戦変更
9.事実
10.見つかった書類
11.約束
12.EC

北欧作品でこの白熊タイトルが出てくれば
外れ作品がない事が保証されてるNORDISK作品、しかも
近年出版界においても(映画は言うまでもない)質の高さが
評価されてる北欧サスペンスがミスリーディングで展開する
ワンシチュエーションサスペンス。

邦題はダブルミーニングで通報者イーベンも
有罪だがアスガーも指してる

アスガーが司令室の上司や同僚に相談せず
独断で進めるミスも加わる、菅首相も独断でやりがちで
学術会議など反対者批判者は粛清しイエスマン
周囲を固めた為に全ての政策で判断ミスを延々と繰返した。
アメリカがマッカーシズムで優秀な(冤罪の)官僚達を
多数追放した事がその後の政策で取り返しの付かない
失敗とそれに伴う甚大な被害を蒙ったのに似てる。


何かの事件で発砲した為に麻薬課から緊急通信司令室勤務に
なってるアスガーそこは「いたずら電話」「大した緊急でもないのにかけるアホ」
「薬物中毒者」「売春婦にカモられた被害者」などあらゆる電話が掛かってくる。
(緊急電話の受信モニターが映るのがすごい、日本とは違い
欧米のは100%本物ではないがけっこうリアルなのが多い)
周囲との会話からアスガーが同僚たちとも決して良い関係では
ないのが示唆されてる(彼はベテランではないのだから分からないこと
難しい事はすぐにアドバイスを求めるべきだったのにそれさえしてない)

同一通報者からは同一通信担当へ掛かるシステム

走行中の車からイーベンと言う女性から電話がかかる
その内容から一瞬いたずら電話と勘違いするが、
<子供と一緒に元夫に誘拐された>と思わせる状況で
話が進む、コペンハーゲン付近の高速道を走行中らしいので
パトカーを派遣するが車種色ナンバーなどがわからないので
パトカーもその車を容易に確認出来ない。

男が電話を切れと言うので子供に話をしていて
電話をしてないフリをするが気付かれる。

ワゴン車というのだけ分るが通話が切れ位置も不明になる
北シェラン司令室の女性担当者はアスガーほどは熱心ではないので
<ワンノブゼム>扱いで処理。

パトカーも雨天夜間なので見つけきれない
イーベンの自宅を突き止めそこに電話すると
チルダという6歳の子供がいた、乳児オリバーもいたが
父親が絶対に入るなと言っていて状況が分らないところに要請していた
警官が到着すると乳児が殺害されていた、元夫の
犯行とミスリーディングで必死に電話で状況や位置を
掴もうとするが・・・・・

結果論として父親ミケル(英語ならマイケル)が犯人ではなく
精神疾患を抱えるイーベンが妄想で殺害していて
(しかも暴行事件を起して親権を失っていたと明らかに
怪しいと思わせる)過去に入院していた北シェラン精神医療センターへ
強制入院させるために無理矢理連れて行ってる最中だった、
一応無事にイーベンは保護されるが彼女を説得する為に
アスガーは自分が犯した過ちを正直に告白する。

アスガーは事件の事で同僚ラシードに証言を偽証してもらう
つもりで彼も同意していたが裁判では嘘をつくなという
(これは難しい既に嘘を付いた上に同僚を売ったらラシードが
法的同義的に正しいことをしても警察内では裏切り者扱いされる)

「故意じゃない」
「わざとじゃない」皆君を助けたい
悪い男
「僕は人殺しだ相手はヨセフ若者だ19歳だった
殺した理由は殺せたから彼は悪事を働いたが殺す必要はなかった
正当防衛を装い殺した、人生にうんざりし何かを取り除きたかったから
何だろう悪いものだ何か・・・・ヘビ?そうへびだ僕はわざと殺したけど
君は違うだろう?君のは事故だ君にはママに会いたがってる娘がいる
ママをイに帰らせるって約束したんだマチルデもミケルも君を愛してる
まだ君を愛してる人がこの世にいるんだ」

彼女は無事に保護された(一瞬ここもミスリードで飛び降りをイメージ)
この作品を単にイーベンの通報とアスガーの対応だけで
鑑賞してたら気付き難い、結局ラストのアスガーの良心の問題を描いてる
なんと言ってもデンマーク作品で北欧サスペンスの凄さは
単にミステリー推理だけではなく作品中で差別・善悪や
正義そして更生などあらゆる人間の行動を問いかける、
近年の小説や映画で北欧作品(と一部のミュージシャン)が
席捲してるのもある意味当然北欧と一口に言ってもアイスランド 
ノルウェー スウェーデン デンマーク フィンランド
などでそれぞれ異なるが。