アフガニスタン

 

☆ transport


陸送での軍事輸送(補給基地から前線基地へのコンボイ輸送)
を英語でなんと言うかといえば transportの文字は使わない。

それを書いてしまえば英語検索して実戦・実態の一部を見れ
私がネトウヨJSFを嘲笑する専売特許が崩れるので敢て書かない、
言葉自体はアメリ海兵隊のアフガンに於ける実戦で
コンボイ輸送を広報していたので知っていた、そしてイギリス陸軍の
番組があって1章だけ見ていてもう1度見たら続編があったのに
気付きそれらを見た(シリーズ1 エピソード1が2つあったり
タイトルが分かり難いから順番すらどうなってるか知らない)

メインベースから50キロくらい離れたFOBだったり
200キロほど離れたOPだったりにコンボイを組むのだが
目的地やミッションによって車両数は異なるが、87台だったり
50台もの車列で移動する。

当然だが一部は固定ルートになるのでタリバンにとっては
<飛んで火にいる>状態になる(歩兵のパトロールパターンや
このコンボイルートも必ずしも最短コースと常識コースではなく
欺瞞を図るがそれでもコンボイは固定ルートを一部走行)

メインルートをはずれ砂漠を走行すれば重量物を運んでる
トラックが横転したり、砂に埋もれたり、車両故障(走行不能
場合と修理で動く場合もある)等々のトラブルが続出するので
日本国内なら200キロは高速道を使えば3時間で到着できるが
片道2泊3日、往復4泊5日の日数を要した。

横転トラックは爆破処理、車両故障はそれを予測してレッカー車も
同行してるので牽引走行(当然速度が落ちる)、途中何回か
タリバンが攻撃してきたりIEDに車両破壊をされる
(幸いにも死者と重傷者は出なかった)、タリバンと民間人の
区別が出来るはずがなく民間車両とすれ違うだけで恐れたり
元々アフガニスタン人が作業している畑の側を通過してるのに
危険視して銃を構えて向けたり・・・・・

常時ではないが日中はタリバンの監視や攻撃があるので
夜間走行をするために(タリバンの夜間作戦能力は流石に低い)
日中は休む時もあり食事をしてるとアフガニスタン人の
子供達が集まってMREを分けてもらい食べてるのは日本の
76年前の風景だろうから微笑ましいというかまだ分るが、
タリバンとの交戦後に付近に散乱した薬莢をまた別の
子供達が回収してるのは悲しい映像。

コンボイの警戒でドローンが事前偵察をしながら飛んだり
夜間監視をしてたり、アパッチヘリがコンボイの護衛、近接航空支援で
飛行するのは実戦の形態を知らない日本の多くの軍事マニア達には
理解出来ないだろう(攻撃ヘリを対戦車攻撃などでしか想定しない)

MRAP型車両は指揮官や通信、EODなどが乗車する(当然別々)
(護衛車両全てがMRAP型ではない、走る棺桶も当時は
多用されていた)こういうのも日本はブッシュマスター8両だけで
完璧と妄想するレベルなんだから終わってる。

 

この番組で1番面白かった言葉が基地周辺や通過地点に
タリバンが住民を装って監視(スパイ)をしてる、それを
英軍兵は<チンコ野郎>と下品な命名をしてた。

軍のコンボイに同行取材するのは他にも
フランス軍がマリで行った作戦の番組がいくつかあるが
数日間も危険な取材に同行したその記者を兵士達が
仲間として扱っていたのが印象的だった。

 

アフガニスタン撤退

 

番組自体は7年前のだった
カブール陥落後に幾つかを見直していた
この番組がイギリスTV局のオンラインで
数は少ないのだが良いドキュメンタリーが多い。


基地閉鎖を特集していて
トータルコスト 6500億円
うち
食費       220億円
造水(設置維持解体)20億円
基地建設      50億円(2006年)
基地解体     300億円(増設があるため)
ヘリ輸送費@      1000万円(USAFC17チャーター)×数十機
弾薬60トン廃棄    5000万円(迫撃砲弾など小型)

合計額が一致しないのは車両輸送費燃料費や人件費明細がないため、
表面を圧縮したり膨らませるのは会計士でなくても
簡単で定義を書き換えたり解釈変更すれば何とでも
説明がつく(流石にゼロは無理だが)

まさに帝国の墓場
基地周囲に監視塔を38箇所設置し
外部警戒していて1個分隊が当直交代しながら監視してたが
将校は滅多に顔を出さないからヌードを貼っていたり
やりたい放題で、流石にANAに引き渡す前に剥がせとか
ソファーなど一切の物品を処分しろと命令。
最終日にANAと交代したらANAは監視塔相互での
通信ができないほど装備が酷い(無線すらない)

施設を引き渡す時にANA大佐が視察に来たとき
イギリス軍の重要施設(司令部と将校用宿舎)の1つで
誰かがイスラム教の礼拝マットを足拭きマットにしてて
途端に大佐の顔が不機嫌になった、高額な装備は
イギリス軍は本国へ戻すから大佐が<何でも持っていく>と
怒る・・・いやそれはイギリス国民の資産で何でも無料で
貰える訳がない。


ラジオ局まであり女性DJが誰の曲か知らないが
「We built city」を流していた・・・・確かに
延べ人数で数万人が活動しファーストフードショップまで
あった街だった、誰か「We dismant city」を作曲する
必要が有ったかもしれない。

2014年時点で既に欧米軍は劣勢だったが
それでもまだ2021年に比べれば安全だったから
整然と撤退した。
言うまでもなくこの基地も暫くはアフガニスタン軍(ANA)が
守備してたが南部だったからけっこう早くにタリバン
奪われたらしい(アメリカ軍がANAに引き渡した基地もANA
放棄してタリバンが占領したところが多い)