「マグダレンの祈り」(THE MAGDALENE SISTERS)




  1. マグダレンの祈り」(THE MAGDALENE SISTERS)  ☆☆☆☆
    NF>  2002 PFPFILMS LIMITED(スコットランド)114分
     
    社会派ドラマ 特典映像でドキュメンタリーが40分近くありる、そもそもマグダレンとは聖書に出てくる女性で“売春婦”として生きていたが改心して生涯宗教活動と言うほどでもないが教会に身を捧げたので天国に行って永遠の命を得たとされる女性。
     それがアイルランドに行くと19世紀~1996年まであった女性向けの施設で孤児院や・・・そしてこれが今なら人権問題と国際機関から総攻撃を喰らいそうな目的の施設で親や親類に教会関係者から「ふしだら」とか言われるような女性「未婚で妊娠」、
    「レイプ被害者」まで収容されて施設内でクリーニングの下請けで洗濯作業等をさせられ
    ダサい作業服、制服、短い髪の毛に粗末な食事と集団生活と恵まれた環境とは呼べない生活を強いられていた施設(本人の希望で出る事はできず、親や教会関係者の許可が必要)。
     このような施設が出来る原因がアイルランドでは性教育(避妊知識)が教会の反対で
    普及せず(キリスト教の一部には中絶は勿論“避妊”すら神の意思に反するらしい)そして教会の影響力が強く、教えに従わなかった“女性”が宗教的な“罪びと”として隔離されてしまったらしい。
     そしてこの作品に出てくる女性は実在の人物で作品中の名前は仮名でそれぞれが体験した事が多少“脚色”され(史実そのものではなく相手や状況を変えてる)、しかし
    マグダレン内で起こっていた事は氷山の一角だろうし、ある意味全てを取り上げる事が出来なかったくらいだろう。(以上 特典映像より)
     
    ①オープニング ②マーガレット ③バーナテッド ④ローズ ⑤マグダラのマリア修道院 ⑥絶望 ⑦不従順の罪 ⑧脱走計画 ⑨いじめ  ⑩自殺未遂 ⑪聖クリストファーのメダル ⑫堕落した神父  ⑬クリスマス  ⑭老女の孤独  ⑮決断 
    ⑯それぞれの人生  ⑰エンドクレジット
     
    出演者:バーナテッド  (ノラ=ジェーン・ヌーン)
       :マーガレット・マグワイヤ(アンヌ=マリー・ダフ
       :ローズ・ダン・パトリシア(ドロシー=ダフィー)
       :クリスピーナ      (アイリーン・ヲルシュ)
     
  1. 1964年 アイルランド/ダブリン 結婚式に参加していたマーガレットが従姉妹の男性に2階に連れて行かれレイプされる、戻ってきて知人の女性に打ち明けるとその女性がマーガレットの父親に知らせ、父親は神父に相談する、翌朝マーガレットは父親にタクシーに乗ってマグダレンに連れて行かれる。
  2. バーナテッド:孤児院にいた彼女は美人と評判で道路には男子が来て話しかけていたそれを見た孤児院の責任者は彼女を施設に送る
  3. ローズは未婚で出産した、子供が私生児となるので無理矢理に養子で出された上に本人も施設に送られてしまう。
  4. マグダレンンのある施設に彼女ら3人が連れてこられ院長(シスター)の部屋に来る、
     私服は没収されダサいワンピースを着せられる、施設内では「祈り、清潔、労働」をする事、洗濯をする事によって労働をする事になり序に身を清める事になると説明され口答え、私語の禁止、私物の所持も許されなかった。
  5. 翌朝、1人の女性が脱走したのが発覚して見かけた者や気付いた者がいなかったか聞かれるが誰も知らない。朝食となるがシスター達はベーコンにジャムにパン等まともなメニュだが、収容者は“かゆ”を食べる。脱走して家に戻ったウーナが父に連れられて戻ってくる、帰ってくる家は無いと拒否されて泣いて戻りたいと言う彼女に父は戻るなと。
  6. 街のクリーニング屋がマグダレンにやってくる、マグダレンが下請け作業をやっていてその手数料を院長が個人的に貯めていた。またシャツなどの洗濯をして干していたローズやクリスティーナから見える所に子供連れの女性がいた、男の子はクリスピーナの子供で女性は姉だった。
  7. マグダレンの生活に耐えられないバーナテッドはローズを誘って脱走をしようと言う、外に出るには先ず建物の外に出る鍵と外に出て壁を乗り越えるか、門を開けるしかないが鍵が無いのでクリーニング業者の若い男を誘惑して外から鍵を開けてもらい脱走しようとするが、寸前になって業者の男は自分がクビになると空けずに逃げ出して脱走は失敗、ローズは丸刈りの刑になった。
  8. 洗濯室ではシスターが入所者の女性達を全裸にして並べ誰が1番胸が大きいかとか
     貧乳だとか選んだり、陰毛が濃い女性を見つけたりするいじめが行われてていた。
  9. からかわれたクリスピーナは服を濡らして風邪を引いて肺炎で死のうと思ったが若いし当然その程度では死ねないので今度は首吊り自殺を試みようとするが周囲に見つかり幸いにも失敗する。
  10. ウーナが修道女になると決意してその集まりで祈りをしていたときに神父がクリスピーナに“口で奉仕をさせていた”(神父が汚れていたのは珍しくもなんとも無い)
    それを見てしまったマーガレットはかぶれる草を摘み取る、丁度その時修道女が閉め忘れていた裏門が空いていて彼女は外に出るが何故か脱走せずに戻って来た。
     ⑫マーガレットは神父の服を洗濯する時に摘んでいた草を一緒に入れる(1960年代になってそこには洗濯機が導入された)。宗教儀式があり外出する事になったマグダレンの入所者やシスター(1人の女性に付き1人の警官が付き添う)、そして神父が祈りの言葉を読み上げているとかぶれて痒みが出て服を全部脱いで走り回ってしまう(マーガレットの仕業)
    それを見たF女のクリスピーナが神父に罵声を何度も浴びせる、その為に彼女は精神病院に送られる。
    1. クリスマスにマグダレンで映画が上映されていた(当時はかなりの娯楽)、そこへ手紙を持った男性が現れ院長に面会を求めた、ドネリー神父からの手紙を携え姉のマーガレットを連れ出しに来た4年に渡りマグダレンにいた彼女はこうして出て行った。
      ⑭老女が気分が悪いと一人で寝かされていた、世話をする女性もいたが孤独のまま死去する。  母や妹が入院した事を知らない息子と姉が門の外に一目会いたいと来ていたここにはいない事を知らせようとしたローズがシスターに連れられ院長室へ、そして罰としてベルトで打ちつけられる(私語やクリスピーナの事を知らせようとした事)
      ⑮トイレに入ったローズにバーナテッドがこんな所では死にたくない、一緒に逃げようと誘う、寝室は外からロックされていたがそれを打ち破り院長室から鍵を持ち出しす、シスターや院長に見つかるが「燭台」で脅して2人は鍵を開けマグダレンから逃げ出す事に成功する、外に出た2人はダブリンでバーナテッドの従姉妹が美容院をしているのでそこに逃げ込み服を貰ったりする、バーナテッドはそこに留まり美容して働きの知に美容院を開業、ローズはリバプールへ渡り結婚して2児の親となる、1998年に死去。
      マーガレットは教師となり最終的には副校長までなるが生涯独身(男性不信)そしてクリスピーナは入院後に1971年拒食症で死去24歳。 マグダレンは20世紀だけで3万人の女性が隔離されていた(正確な人数は公表されなかった)1996年全施設が閉鎖。
       
      ストーリーとしては“告発”的な内容も含み決して明るい内容ではないがそのような
      作品を作った事は大いに評価したい(日本とは大違い)。