幸せへのキセキ


原題<WE BOUGHT A ZOO>
邦題「幸せへのキセキ」2012年 20FOX アメリカ 

<動物園買っちゃった> という劇中の会話が原題になってる

とても素晴らしい映画なのだがそれを打ち消す為に必死に考えたのか安易に考えたのか<幸せの○○>という愚弄し侮辱してる邦題は逆効果。幸せのレシピとか原題と懸け離れた邦題を付ける事が下手くそなアイドルに声優として吹き替えをさせるのと変わらないくらい駄作へと導きかねない。

マットデイモンが
私と同じであまりにも善人であること
私と同じでルックスも備えている事
私と同じでマッチョである事
私と同じで知性に溢れてる事等々私と同じ良い人過ぎて
逆に面白みに欠け幾ら探しても欠点が無い事が欠点であり
難点に為りかねないのだがそこはマットの演技力でカバーしてた。

THE DARTMOOR ZOOLOGICAL PARKという実在の動物園の物語
ECで解説していたが世界的な研究がなされ高い評価を受けて
いるというのは文字制限で何の研究をなされてるか分かり
づらいかも知れないが<組織論 衰退からの再生>という
どちらかと言うとビジネス系だと思われる。
それも良いのだが如何にもアメリカ的な会話が秀逸。
「失礼、何故あなたのような美しい女性が一体何故僕
なんかと口を利くの?」
「WHY NOT ?」この<WHY NOT>と
<Be courageous for 20 seconds > 20秒だけ勇気を持て 
この言葉が物語の根底にある。

出演者も揃っていて
スカーレットヨハンソンが飼育員
エルファニングが動物園カフェの店員
亡くなった妻役がマギー エリザベス ジョーンズ
マットデイモンの兄役 トーマスハドソン チャーチが
当り前だが実の兄ではないので全く似てない、しかし時には
釘を刺したり時には応援したりといかつい顔に似合わずいい
演技をしている。

いい映画の条件は「脚本」「演技力」「配役」が基本なのだが
日本の場合は初めにキャスティングありきでストーリーは後回し
ゼニタレと言われる時代遅れの巨大事務所のアイドルを起用する
事が目的で脚本を後から組み立てたり、握手を取ったら全く
何も残らない無能集団から出演させる事が目的化して現に
握手を取ったら透明人間になってしまい
今やメディアに露出する事は殆ど無い。
(50人近くも揃えるのは並大抵ではないだろう、キモブタと
握手する覚悟さえあれば才能は問われないので簡単に集まる?)

どの作品でも脚本や演技力が揃って主役にいい人間をそろえたら
他に何で違いを出すかと言えば映像(視覚効果や特殊効果)
か脇役にいい俳優を揃えるしかない、これが分かってない。

動物園の監査をする役所から派遣された役人が
やや面白くないかな、ドタバタとか面白くしようとして逆に
面白くない。

虎の安楽死を巡り素人のマットと飼育員のスカーレットヨハンソンの対立も見事で生命の大切さも伝わる。
動物園の会計担当者が金欠を悟って他の従業員を焚きつけ皆で
辞職しようと騒いだが亡くなった妻の遺産がみつかり
なんとか持ちこたえる、マットデイモンはその担当者を
「アディオス」と辞めさせるがこれは組織論として正しい
(本人も辞めたがっていたのだ、メキシコに行くという設定)

1/オープニング
2/ダンカンのアドバイス
3/校則違反続き
4/「うるさいハッピーね」
5/心機一転
6/ワケ有り物件
7/「動物園買っちゃった」
8/新オーナーを歓迎
9/スタッフと動物たち
10/「いかないか?」
11/「死後の世界に日は差さない」
12/食料品店までの距離
13/ママの心をつかまえて
14/ヘビ騒動
15/フェリス検査官
16/バスターが脱走
17/リリーとディラン
18/”冒険資金”の存在
19/世界一の仕事に向かって
20/トラのスパー
21/死の迎え方
22/妻への思い
23/父と息子
24/たった20秒の勇気
25/家族の思い出
26/開園ポスター
27/検査の日
28/記録的豪雨
29/ハプニング
30/ベンジャミンとケリー
31/家族になる前のお話
32/エンディング