隠密攻撃


☆SHADOW SRIKE


シリア原子炉を破壊せよ
イスラエル極秘作戦の内幕

ヤーコブカッツ 並木書房 ¥1,700


2007年9月6日にシリアの建設中原子炉
北朝鮮の技術供与/もちろん有料)を
イスラエル国防軍(IDF/IAF-空軍機)
F15/4機 F16/4機 が空爆破壊した
ソフトメロディー作戦を題材とした
ノンフィクション。


2018年くらいにその事実をイスラエル
公式に認めた(シリアが直に発表せず
イスラエルも表ざたにしなかった、
その理由も書いてある)

シリア科学者のラップトップPCにハッキングが成功し
その中から明らかに原子炉と断定したり、
モサドとCIAの協力だけでなく、イランのオシラク原子炉攻撃にも
触れイスラエル空軍の錬度
(250回ほどのコンバットソーティーや飛行時間4,000時間)や
1度は壊滅しかけた事諸々が分る。

諜報 情報 (モサドやアマン)そしてアメリカとの密接な関係
(安倍が日米同盟は世界一緊密というがアフガンイラク
互いに血を流してるイギリスとは比較にならないし、
唯一誇れるのは”訓練回数”程度。実戦で共同作戦を繰返してる
それらの派遣国より明らかに劣るだけではなく、
諜報部門の協力度合いもCIAとモサド/MI6を含める--は桁違いで
日本の情報諜報機関は子供の戦争ごっこ--中東情勢
においてはCIAが劣るとCIAが認めてる)


アメリカで例えるとボブウッドワードが執筆した
ホワイトハウス内での対テロ作戦に於ける各大統領
クリントン--馬鹿ブッシュ--オバマ--トランプ)と
その閣僚や補佐官達による最高意思決定過程(外交姿勢軍事)
アメリカ軍の軍事攻撃に関する作戦計画の決定過程が
詳細に記述されてるがそれをやや噛み砕きイスラエル
置き換えている作品と思えば分りやすい。
(それぞれの大統領が何をしなかったのか何をしたのか、
何を重視したのか高級官僚と高級軍人がどれだけ”邪魔”を
したかが詳細に描かれてる、トランプに関しては彼の
精神不安定状態と何もやらず感情のみでの言動で周りを振り回し
回りもそれなりの対処法を身に付けたこと、これらの本を読めば
アメリカ軍の作戦計画・実行は日本で”自称”軍事評論家や
ジャーナリストが述べる妄想は妄想と夢想でしかなく、どれだけ
自衛隊と日本が現代戦と軍事攻撃に対してズレて非現実的な事を
述べているかも分る/計画は当初は上手くいっても直に立ち
行かなくなること、想定が当初から外れる事、軍事作戦で戦闘の
帰結を決定する要素等々)

殆どが国防大臣や諜報関連など政治部分とアメリカとの
交渉で(イスラエルアメリカに攻撃して欲しかったが
アメリカは介入をしたくないしイスラエルの攻撃すら
積極的支持ではなかった、因みにこの時のPOTUSは馬鹿ブッシュで
イスラエル首相はオルメルト)作戦実行部分に関しては
むしろメインではない。

筆者がイスラエル人なのでもちろん肯定的であり、ナショナリズム
傾向がないとは言えない-イスラエルが周囲を敵に
囲まれておりその脅威度と恐怖感は日本人の想像外で
つい最近もイランなどで核関連の施設で不審な事故が多発
している事と間接的に関連しイスラエルは自国周辺での
核兵器保有は”国是”レベルで決して許容しない事などが
触れられてるが”だったら自国の保有は?”への
回答はない。


この本では述べられてなかったが
モサドがこのシリア核科学者のPCをハッキングする過程は
アメリカのドキュメンタリーで放送されていた。
(番組では確定証拠収集の為にサイェレットマトカルがシリアの
核施設下流へ極秘派遣された<果樹園作戦>にも触れられてる、
本でも描写されているがマトカルの訓練作戦運用実態がウィキとは比較に
ならないくらい詳しく書かれてる、何時も通り○○とは的に
果樹園作戦の詳細など私が説明をするわけがない、自衛隊凄いと
抜かす平和ボケをからかう為に利用する事はあっても)


PS
イスラエルは<レッドチーム>という政府の正式メンバー以外に
客観的かつ<反証的>に同じ資料を分析するチームを入れ、
シリアの原子炉が本当に原子炉であるかを検証した。

こういう事を出来るのがイスラエルの強さ。
日本が2017年前後で第二次朝鮮戦争
予言して大ハズレしたのとは違う、あれは
戦争が勃発しなかったから良かったが、戦争勃発を
ないと判断し戦争勃発も歴史的に珍しくなく、事実から
判断せず”期待と願望”から判断したから外した。