六十九「女はみんな生きている」




六十九「女はみんな生きている」原題:CHAOS 2001年
フランス 110分位


ヴァン・サンラント  ラシダ・ブラクニ 製作  
スタジオ「CANAL」


                                  ☆☆☆☆☆


これも原題と邦題がかけ離れているがまあ女性主体の映画なのでこうなったのだろう
特典映像を見たが(仏作品にしては特典映像は珍しい、特典映像= と言うわけではないが製作者側の熱意と映画では見せられなかったが折角だからDVDで見てねってな感じ)


アメリカ作品はしっかりと特典映像を、未公開シーン、予告編、NGシーン等と分けるがこの作品は単に(製作シーン)とだけで20分くらいかな延々とナレーションも無く流していたがそれはそれで面白かった


 


では お待ちかね?ストーリを紹介


夜にパリ市内を平凡な主婦(ヴァン・サンラント)が夫の運転する車に乗っていたら前方から若い女性(ラシダ・ブラクニ)が必死の形相で走ってきて助けを求めた、夫はすかさずドアロックをして面倒から逃れようとした、追いかけられてたラシダは男達にフロントガラスに頭を打ち付けられて血を流すは、腹をけられるはと散々に痛めつけられる、外に出て手当てをしようとした主婦(ヴァン)に夫は「窓が汚れたからティッシュ」とか「全然落ちない、洗車しに行く」と全く関わりたくない、ヴァンが救急車を呼ぼうとしたときに偶然パトカーが後ろから来たので走り去りコイン洗車をする。


 翌日に若い女性が気になっていたヴァンは入院先を電話で探し出向き、
意識不明で大怪我をしたラシダの看護をする、初めは意識さえなかったがヴァンが声を掛け世話をしていると目を開け、その後右足の指とか徐々に回復してゆく、ある日休憩で外のソファーで休んでいると不振な男2人が入ってきたのでその後をつける、集中治療室まで来てラシダを見つけたが看護師が着たので2人は逃げる、後日ヴァンが手洗いでちょっとした

洗い物をしていると1人の男が個室に入っていたラシダの元にやってきた、何か喋っていて彼女に暴力を振るっていたのでヴァンが気付き洗面所から出てきたので逃げる、

その時ラシダが左の親指を立てたので回復しているのと相手が1人であることを教えていると気付き後を追いかける、外に出て人がいないところで仕返しに板で男の頭をたたき気絶させ、シートに隠し警察へ電話して取り押さえてもらう。


自宅に帰ると母を大事にしない夫、2股をかけているどら息子(一応イケメン)が文句を言ったので少々切れる、病院に電話して明日戻るというとラシダの伯父が面会に来てい車椅子で外出すると言う、警察からラシダには身寄りがいないときいていたのもあり怪しみ急いでタクシーで病院へ戻っていたら無理矢理連れ出されたラシダが通りを車椅子で押されていた、相手はジジイと若い男だったが大声を上げて警察を呼んでとか言って回りに助けを求めラシダを乗ってきたタクシーに抱え込む、このとき今まで声が出なかった


ラシダが叫び声をあげる(またもや多少回復していたのだ)。取りあえず夫の母親の住んでいるところに匿ってもらう、パリでは夫が警察に呼ばれ
ラシダがヴァンに連れ出された病院では誘拐だと言っている行き先は知らないかとか尋ねられていた。


夫の母親の所でピクニックに行ったり徐々に回復したラシダがヴァンにパリに行って私のパスポートを隠し場所から持ってきてほしいと頼む、バス停の屋根に2通隠してあったので持ってくると両方ともラシダの写真だった。理由を尋ねられこれまでの事をラシダが語る、アルジェリアに生まれ母親は殆ど人身売買みたいな結婚だったので自殺して、


父親はパリで再婚したので全く自分達妹1人と弟2人の面倒を見ない継母とその継母の子供たちと暮らしていたが2年の飛び級をするほど頭が良く卒業試験まで後3ヶ月と言う16歳の時にラシダも結納金1万ユーロかフラン
か知らん(一応 韻を踏んでますw)が


殆ど人身売買的な結婚をさせられようとした、アルジェリア行きのフェリーに乗る前に逃げ出しマルセイユの港町で親切な男に食事や寝る場所を与えてもらったが、クスリ漬けにされ売春をさせられる(レイプされまくり調教され、売春の金でクスリを打つ)


頭が良かったラシダはこのままでは破滅すると分ったので管理が甘くなったので売上を隠したり、もらったクスリを使わず転売してさらにお金を稼いだりした、一度街から逃げるが禁断症状に耐えられずまた戻ると以前よりひどい調教をされまた売春をさせられた、


今度は頭を使いパリで仕事をしたいと言って認められ、さらぬ売春ではなく金持ちのジジイをかもにして惚れ込ませ全財産をつぎ込ませては破産させることで金儲けをして、


さらに株の売買を教えてもらい、売春組織のボスを儲けさせる。

さらに資産500億円という大富豪の重病の老人を篭絡する、

この手口がおっかしい


1「火をつける」- 悲しい顔で過去の話をする
(確かに女性の打ち明け話には・・)
2:セックス  
3:しばらく会わない、連絡しない 男が焦がれる状態にする
4:急に呼び出す、その時に不動産以外の全財産を自分にくれる事が
 愛情だと言ってセックスする


 


この500億爺さんの財産を手に入れたラシダは海外の銀行で資金洗浄して自分のスイス銀行口座にすべて振り込む、売春組織のボスには貢物で貰ったといって宝石類を渡し満足させる、が・・爺さんの息子が遺産相続で銀行に行って資産が空っぽになっていたので


大騒ぎになり新聞沙汰にもなって売春組織のボスもラシダが資産を手に入れたと気付く、そこで委任状を持ってきてサインしろと脅したが、金を渡すくらいなら死んだほうがマシと抵抗して逃げ出すーその時が実は冒頭の車のシーンだったのだ。


 


逃げ回っていてもどうにもならないので反撃に出るのだがアメリカ映画の
リベンジアクションなら「銃を撃ちまくる」だが、そこはおしゃれなフランス映画、ここからが小気味良い。売春組織のボスに電話して私の偽造パスポートと引き換えにお金を渡すと言って待ち合わせ場所を指定する、警察にも電話して売春組織のボスが取引に現れると密告する。


その様子を予約したホテルの部屋から監視していた、取引には直接出向かずかつての売春仲間の女性に高額の依頼金と成功報酬を約束して代理で行ってもらい成功して売春組織のメンバーは用心棒なども含め逮捕される。


 


 自宅に戻ったヴァンが料理していると「何してる?」とドラ息子が
聞いてきた、「料理している」「何を?」「魚」ドラ息子が「魚だと~嫌いだ クソ」と言ったので主婦はまた切れて「もう二度とあなた達の為に料理しない」と言う。その後ラシダが訪ねてきて助けてほしいと言うので一緒について行く、実はラシダの妹も無理矢理結婚させられてアルジェリアに連れて行かれそうだったのでマルセイユのフェリー乗り場に向かい、妹を見つけてこっちに来るようにいう(父親を捨てる)前回は断った妹も、弟達に命令され、このままでは将来がないと悟りラシダとヴァンと妹で歩いて去って
ゆく。


 


ラストシーンはラシダが購入したい海辺の住宅でラシダとヴァン、
ラシダの妹にヴァンの夫(ヴィンセント・リンドン)の母親の4人の女性がベンチで夕日を眺めていた。


 


 


イスラム女性の悲しい部分とかも(西洋とかの価値観からするとだが)
描かれていたが


それに立ち向かう強い女性ってな感じで描かれていた、ラシダブラクニは
当時は20代前半で美人さ、可憐さ、エキゾチック的な雰囲気を持つ元フランス陸上オリンピック選手という経歴の持ち主でした。またおかしかったのは若い女性は気に入らないと言っていた


夫がラシダに引っ掛り骨抜きになり、「私の好きな人にあって欲しい」
と言われ君が好きなら僕も好きだ」といって会った相手が疎遠な母親だったとか、2股ドラ息子が2人からふられたり、彼もラシダを見て好きになったりとか結局女性に振り回されたのか・・・コミカルというか明るいかテンポが良いというか・・・女性におすすめ。