映画レビュー

☆1191



原題<WAITING FOR ANYA>
邦題「 アーニャはきっと来る  」2019英仏

史実に忠実にという訳ではないがフランスの山奥の村で
実際にあったことを脚色し映画化。
フランス版サウンドオブミュージック的に
音楽にのせてユダヤ人の亡命を図る
ナチス兵も全てが全て悪人ではなかった
(多くは悪人だったが)
一部は地元民とも交流したし、フランスで
ナチス兵に頼った女性は未亡人だったり
それなりの理由があった人もいた。
フランス人が英語を喋っても
別に気にならなかった。

ナチス占領下でフランスが侵攻してきて
ユダヤ人を強制移住させてる時に父親ベンジャミンが
対向車両に幼い娘アーニャを預け自らは
義母アリスの家に逃げ逃亡には成功するが生き別れになる。

羊飼いのジョーが祖父に居眠りをするなと
注意されたのに居眠りをして熊が近付いてきて
村に知らせに戻り村人達が狩りに出かけ仕留める
(この時の毛皮などがが映画化のきっかけになったそうだ)
牧羊犬を置いてけぼりにしたので探しに行ったらベンジャミンがいて
そこからユダヤ人脱出を手伝う為に蜂蜜500gで買収される。

村にも国境警備でユダヤ人亡命を阻止するためナチスが進駐
武器類を没収し戒厳令を敷いて食料を徴収したりやりたい放題
フランスのカフェでフランス人には酒を出し
ドイツ兵が来たら酒を隠すのは笑える
ホフマン伍長という親切なナチス兵が
荷物を持って手伝ったり一緒に山に登り
双眼鏡を貸してくれたり
交流もあるがしょせんは敵兵。

ナチス兵が家宅捜索に来るが祖父が洞窟に
逃しておいて見つかる事はなかった。


ホフマン伍長の仕事部屋の壁には
SAさんの前世肖像画が掲げてある
父親が解放されて戻ってくる
7人を何時までも洞窟に隠すのは危険だから
羊を夏山の高地に移動させるのでその
羊飼いに混ぜる、洞窟から村には
教会で<移牧>の前夜祭をするので
祝うからとナチス部隊を招待しその間に
7人のユダヤ人の子供を移動させる

羊達を高地に無事に連れて行くがホフマン伍長が
調べに来る(気付いていたが見逃した、彼は消極型
ユダヤ人逃亡協力者だがナチス軍人本人が逃亡させた事例も多い)

しかしレアがベンジャミンと離れたくないと騒いだ為に
小屋に戻り引換えす途中にナチス兵に囲まれた
絶滅収容所で”生産年齢”に該当しない場合は当日か
数週間以内に殺害された、収容所に入れられたら生存率は
1%あったかなかったの生存率だからベンジャミンのその後は
奇跡があっても難しい)

ナチスは降服して村から撤退
1年後にアーニャがやって来てお終い

もちろんフランス軍兵士としてナチスと戦った人は偉い
そしてレジスタンスとして抵抗した市民も立派、
そして見逃されがちなのはこの映画に登場するような
ユダヤ人逃亡を助けた人達、発覚すれば彼らも処刑される危険を冒した。

People see what want to see .

7500人のユダヤ人がフランス経由で
スペインに亡命し助かった。



ナチス占領地で全てこのようにユダヤ人を強制収用し多くが
死亡したかといえば<デンマークは国王政府高官国民が
反対したから多くの人が生き延びた/51人程が命を落としたが>、
デンマーク民度の高さが分る、
ナチスに侵攻され敗北したがレジスタンスがデンマーク
ゲシュタポ本部の位置を英軍に知らせ英空軍が空爆破壊するなど
抵抗運動もしっかりやった。